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Guide / 政策・トレンド

外国人採用の受入れ枠・上限制度の政策動向

この記事のポイント

  • 特定技能の分野別上限数(受入れ見込み数)制度の仕組みと見直し動向
  • 育成就労には上限数がないが、企業規模に応じた受入枠は存在する
  • 政府の外国人受入れ拡大方針と産業界の要望の現状
  • 業種別の受入れ上限と今後の見通しを整理

公開日:2026年6月7日 / カテゴリ:政策・トレンド / 対象:外国人採用担当者

この記事のポイント

  • 特定技能の分野別上限数(受入れ見込み数)制度の仕組みと見直し動向
  • 育成就労には上限数がないが、企業規模に応じた受入枠は存在する
  • 政府の外国人受入れ拡大方針と産業界の要望の現状
  • 業種別の受入れ上限と今後の見通しを整理

外国人採用の「上限」とは何か

外国人採用を検討する企業担当者にとって、「何人まで外国人を採用できるのか」は重要な関心事です。日本の外国人労働者受入れ制度では、在留資格の種類によって受入れに関する数量的な制限の仕組みが異なります。特定技能には分野別の上限(受入れ見込み数)が政令で設定されている一方、育成就労には分野全体の数値上限はありません。

本記事では、特定技能・育成就労それぞれの受入れ枠・上限制度の仕組みを解説したうえで、政府の政策動向と産業界の要望、今後の見通しについて整理します。採用計画の策定・外国人採用の中長期戦略の立案に役立てていただければ幸いです。

特定技能の分野別上限数制度

特定技能の「受入れ見込み数」は、政府が人手不足の見込みを推計して設定した数値で、実質的な分野別上限として機能しています。この数値は5年間の期間を単位として設定されており、期間終了時に人手不足の状況・実績・産業界の需要を踏まえて見直されます。

重要なのは、この上限は「分野全体」の数値であり、個別企業の受入れ可能人数ではないという点です。分野全体の在留者数が上限に達した場合、その分野での新規の特定技能1号の在留資格認定証明書(COE)発行が一時的に停止されることがあります。企業は申請タイミングを慎重に判断する必要があります。

POINT|特定技能上限数制度の仕組み

  • 分野別の「受入れ見込み数」が政令で設定(5年ごとに見直し)
  • 全国の在留者数がこの数値に近づくと新規COE発行が停止される
  • 企業規模に応じた個別の受入枠制限は基本的にない(特定技能1号)
  • 上限に達した分野でも、既存の在留者の更新は継続可能

育成就労の受入れ枠

育成就労制度には特定技能のような分野全体の数値上限(受入れ見込み数)は設けられていません。これは制度の趣旨が「外国人材の育成」にあり、一定水準の育成体制が整った企業が適切に受け入れることを前提としているためです。

ただし、育成就労には企業規模に応じた受入枠の制限があります。受入企業の常勤職員数に対する育成就労外国人の比率が一定水準を超えることは認められていません。具体的には、常勤職員数によって受入可能人数の上限が定められており、特に中小企業では受入人数に制限がかかります。監理支援機関と相談しながら適切な採用計画を立てることが重要です。

政府の外国人受入れ拡大方針

政府は少子化・高齢化に伴う労働力不足への対応策として、外国人材の受入れ積極的拡大を基本方針として掲げています。2019年の特定技能制度創設以来、段階的に対象分野を拡大し、2024年には4分野を追加して合計16分野に拡大しました。さらに2027年には育成就労制度が完全施行され、外国人材受入れの裾野が一層広がります。

政府の方針では、外国人材の受入れを単なる「労働力の補填」としてではなく、日本社会に定着し活躍する「人材」として位置づける方向へのシフトが明確になっています。特定技能2号の大幅拡大・永住申請への道筋の整備・育成就労修了者の特定技能移行促進などはその表れです。

産業界の要望と受入れ拡大の見通し

経団連・各産業団体からは、外国人材受入れのさらなる拡大・上限数の引き上げ・新分野への適用拡大を求める要望が継続的に出されています。特に建設・介護・製造・運輸業界では慢性的な人手不足が深刻であり、外国人材への依存度が高まっています。

これらの要望を受け、政府は定期的な受入れ見込み数の見直し・分野の追加を続けています。今後も少子化の進展に伴い、外国人材の受入れ規模は中長期的に拡大していく見通しです。企業としては、現時点での上限制限に過度に縛られず、制度の変化を継続的に追いながら採用計画を柔軟に立案することが重要です。

制度上限の仕組み企業への影響
特定技能1号分野別の受入れ見込み数(政令)。上限に達すると新規COE停止採用希望分野の最新在留者数を確認して早めに申請
特定技能2号分野全体の上限設定はなし(見込み数のみ)技能評価試験合格後に申請・在留期限の更新が継続可能
育成就労分野全体の数値上限なし。企業規模に応じた受入枠あり常勤職員数に対する比率を確認して計画的に受入れ
技人国・特定活動数値上限なし(個別審査)申請要件(学歴・業務内容等)の充足が重要

業種別の受入れ上限と今後の見通し

業種別に見ると、特定技能の受入れが活発な分野と、まだ余裕がある分野で状況が大きく異なります。食料品製造・外食・建設分野は受入れが活発で、上限に近づく時期もあります。一方、2024年に新設された自動車運送業・鉄道・林業・木材産業は受入れがまだ始まったばかりであり、当面は余裕がある見込みです。

今後の見通しとしては、2027年の育成就労制度完全施行によって外国人材受入れの総量が増加し、特定技能に集中していた需要が一部分散する可能性があります。また、政府の方針として上限数の継続的な引き上げが見込まれており、長期的には受入れの制限が緩和される方向にあります。

よくあるご質問

Q. 特定技能の分野別上限数とはどのような制度ですか?

特定技能の「受入れ見込み数」は政令で分野ごとに設定されており、実質的な上限として機能しています。5年間の期間ごとに人手不足の状況等を踏まえて見直しが行われます。上限に達した分野では新規の受入れが一時停止されるため、企業は余裕をもって申請する必要があります。

Q. 育成就労には受入れ上限はありますか?

育成就労制度には特定技能のような分野別の数値上限は設けられていません。ただし、受入企業の常勤職員数に対する受入人数の比率(受入枠)の規制は設けられており、一定の規模制限はあります。上限のない受入れが認められるわけではない点に注意が必要です。

Q. 政府は外国人受入れをどのくらい拡大する方針ですか?

政府は人手不足対策として外国人材受入れの積極的拡大を方針として掲げており、特定技能の対象分野拡大・2号の拡大・育成就労制度の創設を通じて受入れ規模を拡大しています。産業界からはさらなる受入れ拡大・上限撤廃の要望が出されており、今後も継続的な拡大が見込まれます。

Q. 上限に近い分野はどこですか?

食料品製造・外食業・建設分野は特定技能の受入れが早期に進んだ分野です。特に食料品製造は在留者数が多く、上限に近づきつつある時期がありました。最新の在留者数は出入国在留管理庁の統計で確認できます。

Q. 上限に達した場合、企業はどうすればよいですか?

上限に達した分野での特定技能1号の新規申請は一時的に受け付けられなくなる可能性があります。その場合、育成就労や技能実習(2027年廃止まで)など別の制度を検討するか、上限が見直されるまで待つ必要があります。申請前に最新の受入れ可否状況を確認することをおすすめします。

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