この記事のポイント
- 試用期間中でも労働基準法・労働契約法の解雇制限は適用される
- 外国人の場合は言語・文化適応に配慮した3〜6ヶ月の試用期間が推奨
- 在留資格と試用期間の関係を理解し、本採用しない場合の手続きを事前に把握する
- 多言語での定期的な評価・フィードバックが適切な関係構築の鍵
試用期間の法的定義と基本的な考え方
試用期間とは、採用した従業員の適性・能力・勤務態度などを評価するために設けられる一定の期間です。法律上、試用期間の定義・期間についての明確な規定はなく、就業規則・雇用契約書で定めることが一般的です。ただし、試用期間であっても労働基準法・労働契約法の各規定は原則として全て適用されます。
最高裁判所の判例(三菱樹脂事件)では、試用期間は「解約権留保付き雇用契約」であると解釈されており、試用期間中であっても解雇(試用期間の打切り)には客観的・合理的な理由が必要とされています。外国人従業員に対しても、この法的枠組みは同様に適用されます。
外国人従業員の試用期間の期間設定
一般的な試用期間は1〜6ヶ月が多いですが、外国人従業員の場合は言語習得・業務用語の理解・職場文化への適応に時間がかかるため、3〜6ヶ月の試用期間を設定することが推奨されます。試用期間が短すぎると、外国人従業員が十分な能力を発揮する前に評価が確定してしまうリスクがあります。
試用期間の長さは就業規則に明記し、雇用契約書にも記載します。外国人従業員に対しては、試用期間の意味(評価期間であること)・期間の長さ・評価基準・本採用にあたっての条件などを母国語で説明することが重要です。試用期間中に達成すべき具体的な目標(習得すべき作業・日本語能力の目標等)を設定し、明示することも効果的です。
POINT|外国人向け試用期間設定のポイント
- 3〜6ヶ月を目安に、言語・文化適応の時間を考慮した期間を設定する
- 試用期間の意味・評価基準を母国語で雇用契約書とともに説明する
- 試用期間中の達成目標(習得作業・日本語レベル等)を明示する
- 月次の面談を設定し、進捗確認・フィードバックを定期的に行う
試用期間中の解雇制限と手続き
試用期間中の解雇(本採用拒否)は、「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当である」と認められる場合にのみ有効です。単に「外国人だから」「言語が不十分だから」という理由だけでは、合理的理由として認められない可能性があります。解雇を検討する場合は、具体的な業務上の問題点・改善指導の記録・警告書等の証拠を適切に管理することが必要です。
入社後14日以内は解雇予告なしに解雇できますが(労働基準法第21条)、14日を超えると30日前の解雇予告または30日分以上の平均賃金の解雇予告手当の支払いが必要です。外国人従業員に対しても、この規定は同様に適用されます。解雇に際しては、外国人従業員が制度を理解した上で手続きを進めるため、母国語での説明が推奨されます。
注意|試用期間中の解雇で問題になりやすいケース
- 業務能力不足を理由とする場合:改善指導・警告書等の記録が必要
- 遅刻・欠勤を理由とする場合:就業規則の周知・注意の事実の記録が必要
- 外国人であることや言語能力だけを理由にする解雇は合理性が認められにくい
- 解雇通知は書面(多言語)で行い、受領確認を取ることが重要
在留資格との関係
試用期間中であっても、外国人従業員は在留資格に基づく就労活動を行っています。試用期間の終了後に本採用しない場合(雇用契約の終了)は、外国人従業員の在留資格の更新や次の就職活動に影響を与える可能性があります。雇用契約終了後は、外国人従業員が次の雇用先を見つけるか、帰国等の措置を取る必要があります。
育成就労・特定技能等の就労系在留資格を持つ外国人の場合、雇用契約が終了した後の在留資格の扱いについて、出入国在留管理庁へ届出(雇用契約終了の届出)が必要です。外国人従業員が試用期間中に他社への転職を希望する場合、在留資格の活動範囲と転職先の業務内容の整合性を確認することが必要です。
評価・フィードバックの多言語対応
試用期間中の定期的な評価・フィードバックは、外国人従業員の成長と本採用に向けた準備を促す重要な機会です。評価基準(業務習熟度・勤務態度・コミュニケーション・安全行動等)を母国語版の評価シートで明示し、面談時に具体的なフィードバックを行います。
フィードバックの際は、改善すべき点だけでなく良い点(できていること・成長した点)をバランスよく伝えることが重要です。外国人従業員は文化的背景から、否定的なフィードバックを重く受け止めすぎることがあります。具体的な行動・事例をベースに、「何を・どう改善してほしいか」を明確に伝え、改善後のフォローアップ面談も設定します。通訳を活用することで、微妙なニュアンスの伝達漏れを防ぐことができます。
よくあるご質問
Q. 外国人従業員の試用期間は何ヶ月が適切ですか?
法律上の規定はなく、一般的には1〜6ヶ月が多いです。外国人の場合は言語・文化の適応に時間がかかるため、3〜6ヶ月を設定し、定期的な面談・フィードバックを行うことが推奨されます。
Q. 試用期間中に外国人従業員を解雇することはできますか?
試用期間中でも解雇は自由ではなく、労働契約法・労働基準法の解雇制限が適用されます。入社後14日を超えると解雇予告(30日前)または予告手当の支払いが必要です。正当な理由のない解雇は無効となる場合があります。
Q. 試用期間と在留資格の関係について教えてください。
試用期間であっても雇用契約に基づく就労であるため、在留資格上の就労活動として扱われます。試用期間の終了後に本採用しない場合も、在留資格の有効期間内に適切な手続きを行う必要があります。
Q. 試用期間中の給与を減額することはできますか?
就業規則・雇用契約書に試用期間中の賃金を定めることは可能ですが、最低賃金を下回ることはできません。また、本採用後に大幅に賃金が上がる設計は、外国人候補者への透明な説明が必要です。
Q. 試用期間中の評価・フィードバックを多言語で行う方法は?
評価シート(業績・態度・習熟度等)を母国語版で作成し、定期面談(1ヶ月・3ヶ月等のタイミング)で通訳を交えて実施します。具体的な改善点と期待行動を明確に伝えることが重要です。
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監理支援機関+登録支援機関の両保有 / ミャンマー名誉領事館認定 / 4言語対応ホットライン
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