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Guide / 制度比較

転籍制度の比較|育成就労と技能実習で何が変わったか

この記事のポイント

  • 技能実習の転籍制限(原則不可)から育成就労の段階的緩和への変化
  • 育成就労の転籍要件(1〜3年・同一業務区分内・企業同意不要)の詳細
  • 企業が転籍を防ぐためにできること(処遇改善・定着支援)の具体策
  • 転籍が発生した場合の手続きと受け入れ企業への影響

公開日:2026年6月7日 / カテゴリ:制度比較 / 対象:外国人採用担当者

この記事のポイント

  • 技能実習の転籍制限(原則不可)から育成就労の段階的緩和への変化
  • 育成就労の転籍要件(1〜3年・同一業務区分内・企業同意不要)の詳細
  • 企業が転籍を防ぐためにできること(処遇改善・定着支援)の具体策
  • 転籍が発生した場合の手続きと受け入れ企業への影響

転籍制度改革の背景

技能実習制度における転籍制限は、制度の最大の問題点のひとつとして長年指摘されてきました。悪質な実習先から逃げることができず、劣悪な環境に甘んじるしかない実習生が多数存在し、失踪件数の増加としてデータにも表れていました。2024年の育成就労法成立では、この転籍制限の抜本的な見直しが盛り込まれ、本人の意思による転籍を認める制度設計となりました。

一方で、企業にとっては「受け入れコストをかけた人材が転籍してしまう」というリスクが生まれます。企業が制度の変化に適応するためには、転籍制度の詳細を理解したうえで、定着支援の充実に取り組むことが求められます。

転籍制度の比較表

比較項目技能実習育成就労
転籍の可否原則不可(やむを得ない場合のみ)一定期間後に本人意思で可能
転籍可能期間なし(例外的な転籍のみ)1〜3年経過後(分野により異なる)
企業の同意必要(原則)不要(一定期間経過後)
転籍先の制限なし(例外時の転籍先も制約あり)同一業務区分内に限定
管理機関の関与監理団体の関与監理支援機関の関与が必要

育成就労の転籍要件詳細

育成就労では、就労開始から一定期間経過後に、外国人が自らの意思で転籍できる仕組みが設けられています。転籍が認められるには以下の要件を満たす必要があります。

POINT|育成就労の転籍が認められる主な要件

  • 就労開始から一定期間(分野による:1年〜3年)経過していること
  • 転籍先が同一業務区分内の受け入れ企業であること
  • 転籍先が育成就労の受け入れ要件を満たす企業であること
  • 転籍先との雇用契約・支援計画が新たに作成されること
  • 監理支援機関を通じた適切な手続きが行われること

企業が転籍を防ぐためにできること

転籍は制度上の権利として保障されており、法律上「転籍禁止契約」は無効です。したがって、企業が転籍を防ぐためには、「転籍したくない」と思ってもらえる職場環境と処遇を整えることが唯一の方法です。

POINT|定着率を高めるための具体的な取り組み

  • 処遇改善:日本人同等の賃金水準を確保し、定期昇給の仕組みを設ける
  • キャリアパス:育成就労修了後の特定技能1号への移行ロードマップを明示
  • 日本語支援:就業時間内での語学学習機会を提供する
  • 生活支援:住居・銀行・公的手続きのサポート体制を整備する
  • 相談窓口:多言語での悩み相談窓口を設置し、早期に問題を解決する

転籍後の手続きと企業への影響

転籍が発生した場合、受け入れ企業は入管への届出や監理支援機関への報告が必要です。また、転籍後の外国人の在留資格は育成就労のままですが、新しい受け入れ企業の情報が在留資格に反映されます。企業側は転籍後の人員計画の見直しが必要になるため、転籍リスクを前提とした採用・育成計画を立てておくことが重要です。

注意|転籍発生時に企業が行うべき手続き

  • 入管への届出:受け入れ終了の届出(離職に準じた手続き)
  • ハローワーク:外国人雇用状況届出(離職)
  • 監理支援機関:転籍に関する報告・手続きの支援を受ける
  • 人員計画の見直し:後任の採用計画(育成就労または特定技能)を開始

よくあるご質問

Q. 育成就労の転籍はいつから可能になりますか?

就労開始からの年数は分野によって異なりますが、基本的には1年〜3年の範囲で設定されています(詳細は分野ごとの省令・告示による)。1年経過後に転籍可能となる分野もあれば、2年・3年経過後の分野もあります。いずれも同一業務区分内での転籍が前提です。

Q. 転籍する際に企業の同意は必要ですか?

育成就労の転籍制度では、一定期間経過後は企業の同意がなくても本人の意思で転籍できるよう制度が設計されています。ただし、転籍先の企業が育成就労の受け入れ要件を満たしていること、監理支援機関の関与など一定の手続きは必要です。

Q. 転籍後の外国人は在留資格はどうなりますか?

転籍後も育成就労の在留資格は継続されますが、在留中の受け入れ企業が変わるため、入管への届出(転籍先の受け入れ企業の情報)が必要になります。また、新しい受け入れ企業との雇用契約・支援計画が新たに作成されます。

Q. 転籍が「不当な転籍」と認定された場合、どうなりますか?

正当な理由のない転籍(例:技能実習・育成就労制度を利用した安易な転職の繰り返しなど)は制度の適正利用に反する場合があります。監理支援機関や入管が関与し、転籍が認められないケースもあります。

Q. 転籍を防ぐために法律上できることはありますか?

転籍は制度上の権利として保障されるため、「転籍を禁止する契約」は無効です。ただし、良好な職場環境の維持・適切な処遇・定着支援の充実によって転籍意向を下げることは可能です。また、転籍可能期間が来る前に特定技能への移行を提案することも有効です。

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