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Guide / 比較・FAQ

転籍・解雇の法的ガイド|外国人従業員への対応

この記事のポイント

  • 育成就労の転籍自由化は一定条件下で認められ、企業側は適切な対応手続きが必要
  • 外国人従業員の解雇には日本人と同じ解雇規制が適用される(外国人への特例なし)
  • 雇用終了時は在留資格への影響と出入国在留管理庁への届出義務に注意が必要
  • 転籍・解雇発生時は早期に社会保険労務士・行政書士への相談を推奨

公開日:2026年6月7日 / カテゴリ:比較・FAQ / 対象:外国人採用担当者

この記事のポイント

  • 育成就労の転籍自由化は一定条件下で認められ、企業側は適切な対応手続きが必要
  • 外国人従業員の解雇には日本人と同じ解雇規制が適用される(外国人への特例なし)
  • 雇用終了時は在留資格への影響と出入国在留管理庁への届出義務に注意が必要
  • 転籍・解雇発生時は早期に社会保険労務士・行政書士への相談を推奨

転籍・解雇に関する基本的な法的枠組み

外国人従業員の転籍(他社への異動)や解雇は、日本の労働法制のもとで適切に処理される必要があります。外国人だからといって特別なルールがあるわけではなく、労働基準法・労働契約法・最低賃金法・雇用保険法などが国籍を問わず全ての労働者に適用されます。一方で、在留資格という外国人特有の要素があるため、雇用終了時の対応は日本人の場合より複雑になります。本記事では、育成就労の転籍自由化と解雇の両面から、企業側が知るべき法的知識を解説します。

育成就労の転籍自由化の条件・手続き

旧技能実習制度では原則として転籍が認められず、外国人が劣悪な環境に縛り付けられる問題が指摘されていました。2027年に完全施行される育成就労制度では、外国人の権利保護の観点から転籍の自由化が大幅に拡充されます。転籍が認められる主な条件として、①就業先でのハラスメント・賃金未払い等の法令違反がある場合(即時転籍可)、②一定期間(1〜2年程度)の就労実績がある場合(本人申請による転籍可)などが設けられています。

POINT|転籍が認められる主な状況

  • 受入れ企業でのハラスメント・暴力・脅迫等の行為がある場合(即時転籍可)
  • 賃金未払い・最低賃金違反等の重大な労働基準法違反がある場合(即時転籍可)
  • 就労開始から一定期間(1〜2年程度)が経過し、本人が転籍を希望する場合
  • 受入れ企業の倒産・廃業等のやむを得ない事情がある場合

転籍発生時の企業側の対応

転籍が発生した場合、受入れ企業(元の受入れ先)は以下の対応が必要です。まず、転籍理由の確認と記録を行い、正当な転籍かどうかを確認します。次に、転籍先との合意のもとで雇用契約を終了させ、残余の給与・未使用有給休暇等の清算を適切に行います。監理支援機関への転籍報告・出入国在留管理庁への届出も義務となります。

転籍が「不当な転籍(例:企業側が不法に阻止しようとする行為)」となる場合は、外国人労働者の転籍の自由を妨害するとして法的責任を問われる可能性があります。転籍発生時は早期に監理支援機関または社会保険労務士に相談することを推奨します。

外国人従業員の解雇要件

外国人従業員の解雇は、日本人従業員の解雇と全く同じ法的要件のもとで行わなければなりません。日本の労働契約法第16条は「客観的合理的理由を欠き、社会通念上相当でない解雇は無効」と定めており、外国人であることは解雇の理由として認められません。解雇が有効となるためには、①業務上の必要性(人員削減の合理的理由)または②就業規則違反等の個人的事由、かつ③解雇回避努力(配置転換・再教育等)を尽くしたことが必要です。

解雇の種類要件外国人への適用
普通解雇(能力・規律違反)客観的合理的理由+相当性日本人と同じ要件が必要
整理解雇(経営上の理由)4要件(人員削減の必要性等)日本人と同じ要件が必要
懲戒解雇(重大な服務違反)就業規則の明示+比例原則就業規則の多言語説明が前提
解雇予告30日前の予告または30日分の手当同じく必要

解雇時の在留資格への影響と手続き

外国人従業員の雇用が終了した場合、在留資格への影響は在留資格の種類によって異なります。「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」の資格を持つ外国人は、雇用終了後も在留資格に影響がありません。一方、「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」など就労目的の在留資格では、雇用終了後に新たな就労先を見つけなければ在留資格の維持が困難になります。

注意|雇用終了時の企業側の法的義務

  • 出入国在留管理庁への雇用終了届出(特定技能:14日以内、育成就労:速やかに)
  • ハローワークへの雇用保険資格喪失届(雇用保険加入者の場合)
  • 離職票・源泉徴収票の速やかな交付
  • 健康保険・厚生年金の喪失手続き
  • 外国人従業員への新たな就労先探しへの支援(特定技能では義務)

転籍・解雇発生時の相談先

転籍・解雇に関する法的判断は複雑であり、誤った対応は企業に深刻なリスクをもたらします。転籍または解雇を検討する際は、社会保険労務士(労働法専門)または弁護士への早期相談が最善策です。CSTMでは転籍・解雇に関する初期相談に応じ、適切な専門家への橋渡しをサポートしています。また、監理支援機関(育成就労の場合)との連携により、転籍手続きの適正な処理を支援します。

よくあるご質問

Q. 育成就労の転籍自由化はいつから始まりますか?

育成就労制度では、一定条件を満たした場合の転籍自由化が段階的に導入されます。2027年の制度完全施行後、就労開始から1〜2年が経過し本人が転籍を希望する場合(就業先でのハラスメント・賃金未払い等の正当な理由がある場合、または一定期間以上就労している場合)に、同一分野内での転籍が認められます。詳細は最新の省令・通達で確認が必要です。

Q. 外国人従業員を解雇する場合、日本人と手続きが異なりますか?

外国人従業員にも日本の労働基準法・労働契約法が完全に適用され、日本人と同じ解雇規制が適用されます。解雇の有効要件(客観的合理的理由・社会通念上相当性)を満たさない解雇は無効となります。外国人だからという理由での解雇は認められず、手続きも日本人と同じです。

Q. 解雇・雇用終了後の在留資格はどうなりますか?

雇用が終了した場合、外国人の在留資格の種類によって状況が異なります。特定技能外国人が雇用終了となった場合、新たな雇用先を2ヶ月以内に確保しなければ在留資格が維持できなくなる場合があります。育成就労外国人が受入れ先を失った場合も同様で、新たな受入れ機関への移行または帰国となります。企業は解雇・雇用終了時に出入国在留管理庁への届出義務があります。

Q. 転籍されてしまった場合の残りの在留期間の扱いは?

転籍が認められた場合、外国人の在留資格はそのまま維持されます。ただし、転籍先での就労内容が在留資格の範囲と一致していることが必要です。育成就労の場合は同一分野内での転籍が原則で、異なる分野への転籍は在留資格の変更が必要となります。

Q. 雇用終了に伴う企業側の法的届出義務は何がありますか?

外国人従業員の雇用終了時(解雇・退職・雇用期間満了等)には、①ハローワークへの雇用保険資格喪失届(雇用保険加入者の場合)、②出入国在留管理庁への中途退職・契約終了の届出(特定技能の場合・届出書)が必要です。特定技能の場合、届出を怠ると行政指導の対象となります。

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