この記事の結論
- 特定技能「介護」の受け入れ上限は 事業所単位 で 「日本人等の常勤介護職員の総数」まで。常勤介護職員20名なら最大20名です。
- 上限の分母に入るのは日本人のほか 介護福祉士合格のEPA・在留資格「介護」・身分系在留資格 の職員。技能実習生・EPA候補者・特定技能外国人は入りません。
- 技能実習の段階的な枠より受け入れやすく、即戦力をまとめて確保したい施設は特定技能が有利。訪問介護(2025年4月解禁)でも同じ枠組みです。
受け入れ人数枠の基本ルール
特定技能「介護」で受け入れられる外国人の数は、事業所単位で「日本人等の常勤介護職員の総数」までと定められています。介護分野の運用方針に基づくルールで、他の多くの特定技能分野(製造業・外食業など)には無い、介護分野特有の上限です。
ポイントは「法人単位ではなく事業所単位」であることです。複数の施設を運営する法人であれば、施設(事業所)ごとにそれぞれの常勤介護職員数を上限として受け入れ人数を計算します。
POINT|なぜ上限があるのか
介護は利用者の安全とケアの質を守る必要があるため、日本人等の職員体制に対して特定技能外国人が過度に多くならないよう、バランスを取る趣旨で上限が設けられています。
「日本人等の常勤介護職員」の数え方
上限の分母となる「日本人等の常勤介護職員」には、日本人以外も含まれます。誰が入って誰が入らないかを正しく把握することが、受け入れ可能人数の試算の第一歩です。
| 区分 | 分母に入るか | 補足 |
|---|---|---|
| 日本人の常勤介護職員 | 入る | 雇用保険被保険者であることが基本の目安 |
| EPA介護福祉士(国家試験合格者) | 入る | 合格前の候補者は入らない |
| 在留資格「介護」の外国人 | 入る | 介護福祉士資格の保有者 |
| 永住者・日本人の配偶者等(身分系) | 入る | 就労制限のない在留資格 |
| 技能実習生 | 入らない | 育成中の人材のため分母から除外 |
| EPA介護福祉士候補者 | 入らない | 国家試験合格前 |
| 特定技能外国人 | 入らない | 自分自身を分母に足すことはできない |
注意|「常勤」の判定とパート職員
常勤性は雇用保険の被保険者であることが基本の目安とされ、短時間のパート職員は総数に含められない場合があります。職員構成によって受け入れ可能人数が変わるため、試算の際は勤務形態ごとの内訳を確認してください。
施設規模別のイメージ
常勤介護職員の総数がそのまま上限になるため、考え方はシンプルです。
- 小規模デイサービス(常勤介護職員5名):特定技能外国人は最大5名まで
- グループホーム2ユニット(常勤介護職員10名):最大10名まで
- 特別養護老人ホーム(常勤介護職員40名):最大40名まで
実際には、外国人職員の教育・フォロー体制を考えると、上限いっぱいまで一度に受け入れるのではなく、数名ずつ段階的に増やしていくのが定着の面でも現実的です。
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介護分野で外国人材を受け入れる他の制度にも、それぞれ人数の考え方があります。
| 制度 | 人数枠の考え方 |
|---|---|
| 特定技能「介護」 | 事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数まで |
| 技能実習「介護」 | 事業所の常勤介護職員の総数に応じた段階的な上限(一般に特定技能より少ない) |
| EPA介護福祉士候補者 | 受入れ機関ごとの調整・あっせんの枠組みによる |
| 在留資格「介護」・身分系 | 人数枠なし(むしろ分母に加算される側) |
「即戦力を一定数まとめて確保したい」という施設には、上限まで受け入れやすい特定技能が有利です。さらに、介護福祉士に合格して在留資格「介護」へ移行した職員は分母側に加わるため、長期育成が進むほど受け入れ余地も広がるという好循環を作れます。
訪問介護(2025年4月解禁)での扱い
2025年4月21日の運用方針改正により、訪問介護・訪問入浴介護などの訪問系サービスにも特定技能外国人が従事できるようになりました。この場合も、事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数までという人数枠の枠組みは同様です。
ただし訪問系では、人数枠とは別に次の要件が上乗せされます。
- 外国人本人:介護職員初任者研修等の修了+介護現場での実務経験1年以上(原則)
- 事業所側:訪問業務に関する研修の実施、一定期間の責任者等の同行、利用者・家族への事前説明、キャリアアップ計画の作成 など
詳しくは訪問介護の規制緩和と活用法の解説記事をご覧ください。
人数枠を有効活用する採用計画
人数枠を踏まえた採用計画のポイントは3つです。
- 事業所ごとの上限を正確に把握する:職員名簿から「分母に入る職員」を数え、受け入れ余地を確認する
- 段階的に増やす:初回は2〜3名から始め、教育・フォロー体制を整えながら枠を活用していく
- キャリアパスで分母を育てる:特定技能職員の介護福祉士取得を支援し、在留資格「介護」へ移行すれば、本人の長期定着と受け入れ枠の拡大を同時に実現できる
なお、特定技能「介護」は直接雇用のみで、派遣での受け入れはできません(特定技能で派遣が認められるのは農業・漁業のみ)。CSTMキャリアサポートは有料職業紹介と登録支援機関の両認可で、人数枠の試算から候補者のご紹介、受け入れ後の義務的支援までワンストップで対応します。
よくあるご質問
Q. 特定技能「介護」は何人まで受け入れられますか?
事業所単位で「日本人等の常勤介護職員の総数」が上限です。例えば常勤介護職員が20名の事業所なら、特定技能外国人を最大20名まで受け入れられます。法人単位ではなく事業所単位で数える点に注意してください。
Q. 上限の「日本人等」には誰が含まれますか?
日本人の常勤介護職員のほか、介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士、在留資格「介護」で在留する外国人、永住者・日本人の配偶者等など身分・地位に基づく在留資格の外国人が含まれます。
Q. 技能実習生や特定技能外国人は上限の分母に入りますか?
入りません。技能実習生、EPA介護福祉士候補者(国家試験合格前)、特定技能外国人自身は「日本人等の常勤介護職員」にカウントされないため、受け入れ上限の計算からは除外されます。
Q. 常勤かどうかはどう判断されますか?
雇用保険の被保険者であることが基本の目安とされています。短時間のパート職員は常勤介護職員の総数に含められない場合があるため、事業所の職員構成をもとに個別に確認することをおすすめします。
Q. 訪問介護事業所でも同じ人数枠ですか?
2025年4月21日の運用方針改正で訪問系サービスが解禁されて以降も、事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数までという枠組みは同様です。加えて訪問系では、外国人本人に初任者研修修了+実務経験1年以上(原則)、事業所に研修・同行・キャリアアップ計画等の対応が求められます。
Q. 技能実習「介護」の人数枠とは何が違いますか?
技能実習は事業所の常勤介護職員の総数に応じた段階的な上限が設けられており、一般に特定技能より受け入れられる人数が少なくなります。即戦力を一定数まとめて確保したい場合は、上限まで受け入れやすい特定技能が有利です。
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