この記事のポイント
- 育成就労の初期費用は1人40〜80万円、特定技能は20〜50万円が目安(2026年相場)
- 監理費・支援委託費・住居費など在留中継続的にかかるコストの把握が重要
- 国内在住外国人(留学生卒業者等)の採用は初期コストを大幅に抑えられる
- 日本人採用との総コスト比較では「コストの見えやすさ」の差が大きい
コスト比較の前提:何をコストとして捉えるか
外国人採用コストを日本人採用と比較する際、重要なのは「見えやすいコスト」と「見えにくいコスト」を区別することです。外国人採用では初期費用(送出機関手数料・渡航費・住居準備等)が目立ちますが、日本人採用でも採用広告費・説明会参加費・内定者フォロー費・研修費などの隠れたコストが存在します。本記事では2026年時点の実際の費用相場をもとに、各制度の総コストを比較します。
育成就労のコスト内訳
| コスト項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 送出機関手数料 | 10〜30万円 | 国・機関により変動 |
| 渡航費(航空券等) | 5〜15万円 | 出身国・経路による |
| 在留資格申請費 | 3〜8万円 | 行政書士費用含む |
| 住居準備費(敷金等) | 10〜30万円 | 社員寮の場合は低減可 |
| 来日前研修費(受入れ側) | 3〜10万円 | オリエンテーション・制服等 |
| 初期費用合計 | 約40〜80万円 | 1人あたりの目安 |
| 監理費(月額) | 2〜4万円/月 | 最大36ヶ月で総額72〜144万円 |
| 日本語教育費(継続) | 1〜3万円/月 | 教室・eラーニング等 |
特定技能のコスト内訳
| コスト項目 | 費用目安(海外採用) | 費用目安(国内採用) |
|---|---|---|
| 採用費・送出費 | 15〜35万円 | 5〜15万円(紹介会社経由) |
| 渡航費 | 5〜15万円 | 不要(国内在住) |
| 在留資格申請費 | 3〜8万円 | 3〜8万円 |
| 住居準備費 | 10〜20万円 | 5〜15万円 |
| 初期費用合計 | 約30〜60万円 | 約15〜40万円 |
| 登録支援機関委託費(月額) | 2〜3万円/月 | 2〜3万円/月 |
| 在留期間(1号) | 最大60ヶ月(5年) | 最大60ヶ月(5年) |
日本人採用との比較
| 比較項目 | 育成就労(海外) | 特定技能(海外) | 日本人採用(中途) |
|---|---|---|---|
| 初期採用コスト | 40〜80万円 | 30〜60万円 | 50〜100万円(転職サイト・紹介会社) |
| 月次管理費 | 2〜4万円(監理費) | 2〜3万円(支援委託費) | なし(内製) |
| 住居費(月額) | 3〜5万円(寮提供の場合) | 3〜5万円(支援義務あり) | なし(本人負担) |
| 入社後の教育・研修費 | やや高(言語・文化研修含む) | 中程度 | 中〜高(スキル研修中心) |
| 総コスト(3年間) | 約160〜340万円 | 約120〜260万円 | 約150〜300万円 |
注意|コスト試算の留意点
- 上記はあくまで目安であり、業種・受入れ国・企業規模・地域によって大きく変動する
- 早期離職があった場合は再採用コストが発生し、トータルコストが大幅に増加する
- 定着率の高い企業では長期勤務によるコスト回収が進み、総コストが低下する
- 助成金(愛知県・市町村・国の外国人受入れ支援補助金)の活用でコスト軽減が可能
コスト削減の実践策
外国人採用コストを合理的に抑えるための実践的な方法として、最も効果的なのは「国内在住外国人の採用」です。日本の大学・専門学校を卒業した留学生、または育成就労修了者を国内で採用することで、渡航費・来日前訓練費が不要となり、初期コストを大幅に削減できます。また、これらの人材はすでに日本語能力・日本文化への適応が進んでいるため、入社後の教育コストも低い傾向にあります。
POINT|コスト効率の高い外国人採用の方法
- 国内在住の留学生・育成就労修了者の採用(渡航費ゼロ・日本語力高い)
- 複数名同時採用による固定コスト(住居・行政手続き等)の分散
- 登録支援機関・監理支援機関の相見積もりによる適正価格の確認
- 自治体・国の外国人採用支援補助金の積極的な活用
よくあるご質問
Q. 育成就労での採用コスト(初期費用)はどの程度ですか?
育成就労(旧技能実習)での初期費用は、送出機関への手数料・渡航費・日本語訓練費・住居準備費・在留資格申請費などを合計すると、1人あたり約40〜80万円が目安とされています。これに加え、監理費(月2〜4万円×滞在月数)が在留期間中かかります。
Q. 特定技能外国人の採用コストはどれくらいですか?
特定技能外国人(海外から直接採用の場合)の初期費用は約20〜50万円が目安です。国内在住者(留学生・育成就労修了者等)からの移行の場合は10〜30万円程度と低くなります。これに加え、登録支援機関への支援委託費(月2〜3万円程度)が在留期間中継続します。
Q. 日本人新卒採用との総コスト比較はどうなりますか?
日本人新卒採用の初期コスト(求人広告費・合同説明会参加費・内定者フォロー費等)は1人あたり50〜100万円程度です。入社後は日本人と同等の給与・社会保険・研修費がかかります。外国人採用は初期コストが低い場合もありますが、住居提供・監理費・多言語支援コストを含めると、トータルでは日本人採用と近い水準になることが多いです。
Q. 住居提供は法的に義務ですか?
住居の提供自体は法的義務ではありませんが、特定技能の支援計画では「住居の確保の支援」が義務付けられており、実質的に住居探しのサポートが必要です。育成就労では多くの企業が寮を提供しています。住居手当(月3〜5万円程度)を支給し、自分で住居を探してもらう方式を取る企業もあります。
Q. コスト削減のために何か注意すべきことはありますか?
コスト削減の観点から、①国内在住の外国人(留学生卒業者・育成就労修了者等)からの採用は渡航費・訓練費が不要で初期コストを大幅削減できます。②複数人同時採用により固定コスト(住居・行政手続き等)を分散できます。③登録支援機関の委託費は相見積もりを取ることで適正価格を確認できます。ただし、過度なコスト削減は受入れ体制の劣化と離職増加につながるため注意が必要です。
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