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Guide / 税務・給与

外国人材の年末調整・確定申告実務
居住者判定と国外扶養控除

居住者・非居住者の判定から年末調整手順、国外居住親族の扶養控除に必要な書類、 給与明細の多言語対応まで、外国人材を雇用する企業の実務担当者向けに解説します。

公開:2026年6月6日

ホーム>採用担当者の方へ>採用ガイド>外国人材の年末調整・確定申告実務

この記事でわかること

  • 居住者・非居住者の判定基準(1年ルール)と税率の違い
  • 居住者となった外国人材の年末調整の手順と特有の注意点
  • 国外居住親族を扶養控除に入れるための必要書類と2023年の制度改正
  • 給与明細に英語注記を付ける場合の実例・テンプレート
  • 医療費控除など確定申告が必要になるケース

執筆:CSTMキャリアサポート 採用支援チーム / 最終更新日:2026年6月6日

居住者・非居住者の判定(1年未満は非居住者)

所得税法において、外国人材の税務処理は「居住者」か「非居住者」かによって大きく異なります。この判定を誤ると、源泉徴収税額の計算ミスや年末調整の誤りにつながります。

区分定義課税範囲年末調整
居住者(一般)国内に住所あり、または現在まで引き続き1年以上国内に居所あり全世界所得対象
居住者(非永住者)日本国籍なし、かつ過去10年以内の在留合計5年以下国内源泉所得+国外源泉所得のうち国内払い分対象
非居住者居住者以外(入国後1年未満が目安)国内源泉所得のみ対象外(源泉徴収のみ)

POINT|1年ルールの実務的な運用

  • 入国後1年を経過した時点で原則「居住者」に変更され、年末調整の対象となる
  • 在留資格が就労目的(育成就労・特定技能等)であれば、入国直後から「居住者」扱いとする実務も多い
  • 判断が迷う場合は、最寄りの税務署に確認するか、税理士に相談することを推奨
  • 非居住者期間の給与には通常20.42%(復興特別所得税含む)の源泉徴収が必要

居住者の年末調整手順

居住者に該当する外国人材は、日本人社員と同様に年末調整の対象です。 ただし、国外居住親族の扶養控除や住宅ローン控除等は追加書類が必要なため、 年末調整の時期(11〜12月)に早めに準備を促すことが大切です。

年末調整に必要な書類(外国人材)

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(毎年提出)
  • 給与所得者の基礎控除申告書・配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書
  • 国外居住親族がいる場合:親族関係書類・送金関係書類(詳細は次節)
  • 生命保険料控除証明書(国内保険に加入している場合)
  • 住宅ローン控除申告書(2年目以降、該当する場合)

注意|扶養控除申告書の多言語説明が必要

  • 日本語のみの申告書では外国人材が記載内容を理解できず、空欄や誤記が多発します
  • 各項目に英語またはベトナム語・ミャンマー語の説明を添付することを推奨
  • 国外扶養親族の記載方法は日本人と異なるため、担当者が個別に確認・サポートを

扶養控除(国外居住親族)の必要書類と手続き

外国人材の多くは家族を母国に残しています。 これらの国外居住親族を扶養控除の対象にするには、2023年1月の改正後、要件が厳格化されています。

2023年改正後の要件(30歳以上70歳未満の国外居住親族)

以下のいずれかに該当する場合のみ、扶養控除の対象として申告できます。

  • 留学により国内に住所・居所を有しなくなった者
  • 障害者
  • 38万円以上の送金を受けている者

必要書類

書類区分具体的な書類注意点
親族関係書類戸籍謄本・出生証明書・婚姻証明書(外国語の場合は翻訳必須)続柄が証明できる公的書類
送金関係書類銀行振込の送金明細・国際送金領収書年間38万円以上の送金実績
留学証明(該当者のみ)外国の教育機関の在籍証明書(翻訳付き)留学が扶養要件の場合のみ

POINT|書類収集は年末調整の2ヶ月前から

  • 外国の公的書類は取得に時間がかかる(1〜2ヶ月以上)ことがある
  • 10月上旬には書類リストを本人に渡し、準備を促すこと
  • 日本語翻訳は公認翻訳は不要だが、内容の正確性を担保すること
  • 書類が間に合わない場合は確定申告(翌年3月15日まで)で申請できる

給与明細の英語注記の実例

外国人材が給与明細の内容を正確に理解できるよう、各控除項目に英語(またはベトナム語・ミャンマー語)の注記を付けることを推奨します。 以下は主な項目の英語対訳例です。

日本語項目英語表記簡易説明
基本給Base SalaryMonthly base pay
時間外手当Overtime PayPay for extra working hours
健康保険料Health Insurance PremiumMandatory health insurance deduction
厚生年金保険料Employees' Pension Insurance PremiumPension insurance deduction
雇用保険料Employment Insurance PremiumUnemployment insurance deduction
所得税Income Tax (withheld)Income tax deducted monthly
住民税Resident TaxLocal government tax(前年所得に基づく)
住居費控除Housing DeductionDeducted per labor-management agreement

確定申告が必要なケース

年末調整で処理できない控除や、複数の収入源がある場合は確定申告(翌年2月16日〜3月15日)が必要です。 外国人材が該当するケースを把握し、適切な案内を行いましょう。

  • 医療費控除を申請したい場合(年間医療費が10万円超または総所得の5%超)
  • 年末調整で書類が間に合わなかった国外居住親族の扶養控除
  • 2ヶ所以上から給与を受けている場合(副業があるケースは在留資格に注意)
  • 給与収入が2,000万円超の場合(稀)
  • 住宅ローン控除の初年度
  • 年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合

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よくあるご質問

Q. 入国して3ヶ月の外国人材は居住者・非居住者どちらですか?

所得税法上、国内に1年以上の居所を有する者が「居住者」です。入国後1年未満の場合は原則として「非居住者」に該当し、国内源泉所得のみ課税対象となります。ただし、就労ビザで長期在留が見込まれる場合は、入国後まもなくから「居住者」とみなされるケースもあります。判断が困難な場合は税務署または税理士に確認してください。

Q. 国外居住親族の扶養控除は何人まで申告できますか?

人数の上限はありませんが、全員分の証明書類(親族関係書類・送金関係書類)が必要です。また、2023年1月以降、30歳以上70歳未満の国外居住親族については留学・障害・38万円以上の送金のいずれかの要件が追加されました。年末調整で処理できなかった分は確定申告で申請できます。

Q. 給与明細は日本語のみで問題ありませんか?

法的には日本語のみでも違法ではありませんが、外国人材が控除内容を理解できないことで「給料が間違っている」とのトラブルが頻発します。ベトナム語・ミャンマー語等の注記を付けるか、簡易説明書を別途交付することが強く推奨されます。CSTMキャリアサポートでは多言語給与明細テンプレートの提供支援を行っています。

Q. 外国人材が医療費控除を申請したい場合、どうすればよいですか?

医療費控除は年末調整では処理できないため、本人が翌年2月16日〜3月15日に確定申告を行う必要があります。外国人材の場合、日本語での確定申告書作成が難しいケースが多いため、会社として税理士紹介・申告書の記載支援を行うことが定着にもつながります。

Q. 年の途中で帰国した外国人材の年末調整はどうしますか?

帰国時に非居住者となる場合、帰国日以降の給与は源泉徴収税率が変わります(原則として国内源泉所得に20.42%の源泉徴収)。帰国前に「出国後の確定申告」または「納税管理人の選任」が必要になるケースがあります。帰国が決まった時点で税理士・社労士に相談することを推奨します。

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