この記事のポイント
- 住民票登録は入国後14日以内の義務で、未登録は過料の対象になる
- 住民票登録後にマイナンバーが付番され、企業は税務・社会保険手続きに利用できる
- マイナンバー収集の法的根拠・利用目的の明示・安全管理措置が企業に義務付けられている
- 住民票がない状態では銀行口座・健康保険加入等に支障が生じる
住民票登録の義務と重要性
日本に在留する外国人(在留資格を持つ人)は、住民基本台帳法により、居住地の市区町村に「転入届」を提出して住民票に登録する義務があります。この届出は入国後(または転居後)14日以内に行わなければなりません。住民票に登録されることで、マイナンバーが付番され、行政サービスの利用や各種手続きが可能になります。
企業が外国人従業員を受け入れる際、住民票登録の支援は単なる親切ではなく、特定技能・育成就労においては支援計画の一環として義務付けられている場合があります。また住民票がない状態では社会保険の加入手続き、銀行口座の開設、健康保険証の発行などに支障をきたすため、入社初日または入国直後に役所への同行サポートを行うことが実務上の最善策です。
POINT|住民票登録に必要な書類
- 在留カード(または特別永住者証明書)
- パスポート
- 転入届(窓口に用意あり)
- 宿舎・住居の住所がわかる書類(賃貸契約書・社員寮の証明等)
マイナンバーの付番と取得方法
住民票登録(転入届の受理)が完了すると、マイナンバー(個人番号)が付番されます。初めて住民票に登録された場合は、「個人番号通知書」が住民票の住所に郵送されます(2020年5月以降の新規登録者の場合)。以前の「マイナンバー通知カード」は現在は廃止されていますが、既存の通知カードは番号確認書類として引き続き利用できます。
マイナンバーカード(顔写真付きのICカード)は、マイナンバー通知を受け取った後に市区町村に申請して取得します。マイナンバーカードはコンビニでの各種証明書発行や医療機関での保険証利用など、利便性が高く、外国人従業員にも積極的に取得を勧めることが生活支援として有効です。
企業によるマイナンバーの収集
企業は、以下の税務・社会保険手続きのためにマイナンバーの収集が義務付けられています。収集の際は必ず利用目的を本人に明示し、本人確認(マイナンバーカード・通知書と身分証明書の照合)を行う必要があります。
| 利用目的 | 具体的な手続き |
|---|---|
| 税務手続き | 給与所得の源泉徴収票作成、支払調書作成 |
| 社会保険手続き | 健康保険・厚生年金の被保険者資格取得届・喪失届 |
| 雇用保険手続き | 雇用保険被保険者資格取得届・喪失届 |
マイナンバーの収集にあたっては、「マイナンバー利用目的告知書」を従業員に交付し、本人の署名を取得することが推奨されます。収集後は、番号法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)に基づく安全管理措置が必要です。
マイナンバーの安全管理
収集したマイナンバーは、番号法により厳重な管理が義務付けられています。適切な安全管理措置として、①書類での管理の場合は施錠できる保管庫に保存する、②電子データでの管理の場合はパスワード保護・アクセス権限の設定を行う、③マイナンバーを取り扱う担当者を限定し、その担当者への教育を実施する、④不要になった書類・データは速やかに廃棄(シュレッダー・データ消去)する、の4点が基本です。
中小企業においては、厚生労働省・個人情報保護委員会が公開している「中小規模事業者向けのマイナンバー取扱いガイドライン」を参照することで、適切な安全管理措置の具体的な方法を確認できます。
注意|住民票未登録・マイナンバー管理の問題
- 住民票未登録のまま就労させると社会保険加入の届出ができない場合がある
- マイナンバーを利用目的外で使用した場合は番号法違反(刑事罰あり)
- マイナンバーを不適切に管理・漏洩した場合は個人情報保護法・番号法上の問題になる
- 育成就労・特定技能では住民票登録支援が受け入れ機関の義務であることを認識する
よくあるご質問
Q. 外国人従業員はいつまでに住民票を登録する必要がありますか?
入国後14日以内に、居住する市区町村の窓口で転入届(住民票の登録)を行う必要があります。正当な理由なく届出をしない場合は過料(罰則)の対象になる場合があります。企業は入社時にこの義務を説明し、速やかに手続きをするよう案内することが重要です。
Q. マイナンバーはいつ発行されますか?
住民票の登録(転入届)が完了すると、マイナンバー(個人番号)が付番されます。初回はマイナンバー通知カードが郵送されます(2020年5月以降に住民票登録した場合は「個人番号通知書」が送付)。企業はマイナンバーカードまたは通知書で番号を確認・収集します。
Q. マイナンバーを従業員から収集する際の法的根拠は何ですか?
給与所得の源泉徴収票作成、社会保険の被保険者資格取得届等の税務・社会保険手続きのために、使用者は従業員のマイナンバーを収集することが法律(番号法)で認められています。収集の際は利用目的を本人に明示することが義務付けられています。
Q. 住民票がない状態での問題点は何ですか?
住民票がないと、マイナンバーが付番されない、国民健康保険への加入ができない、銀行口座の開設が困難になる、行政サービスが受けられないなどの問題が生じます。特定技能・育成就労の支援義務においても住民票登録の支援が求められています。
Q. 企業が収集したマイナンバーはどのように管理すればよいですか?
マイナンバーは番号法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)により厳重な管理が義務付けられています。利用目的以外での使用禁止、適切な安全管理措置(鍵のかかる保管庫またはパスワード管理されたデジタルデータ)、不要になった際の速やかな廃棄が必要です。
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