この記事のポイント
- 最低賃金法は国籍を問わず適用され、愛知県の地域別最低賃金が外国人にも適用される
- 特定技能の「同等報酬要件」は最低賃金とは別の追加要件として確認が必要
- 寮費・食費の控除項目の適法な取り扱いと最低賃金計算への影響
- 毎年10月の改定に合わせた賃金見直し管理のポイント
最低賃金と外国人労働者への適用
最低賃金法は、日本で働くすべての労働者に対して適用されます。国籍・在留資格の種類を問わず、愛知県内で就労する外国人従業員には愛知県の地域別最低賃金が適用されます。「外国人だから最低賃金以下でも働いてもらえる」という考えは完全な誤りであり、最低賃金法第4条に違反します。
最低賃金には「地域別最低賃金」(各都道府県が設定)と「特定最低賃金」(特定の産業・職種ごとに設定)の2種類があります。愛知県には地域別最低賃金に加えて、製造業等の特定最低賃金が設定されている産業があります。外国人を雇用する企業は、自社の業種・職種に適用される最低賃金をすべて確認する必要があります。
POINT|最低賃金の基本確認事項
- 愛知県の地域別最低賃金は毎年10月に改定(厚生労働省・愛知労働局で最新額を確認)
- 外国人従業員も日本人と同一の最低賃金が適用される
- 特定最低賃金がある産業では地域別最低賃金より高い額が適用される場合がある
- 在留資格の種類(育成就労・特定技能等)に関わらず最低賃金法は同一適用
愛知県の最低賃金水準と確認方法
愛知県の地域別最低賃金は全国でも高水準の県の一つです。2025年度の改定水準については、愛知労働局の公式ウェブサイト(https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/)および厚生労働省の最低賃金特設ページで確認してください。毎年10月の改定後、すみやかに自社の賃金テーブルと照合することを採用担当者のルーティン業務として位置付けることを推奨します。
愛知県には製造業関連の特定最低賃金が複数設定されているため、製造業で外国人を雇用する企業は特に注意が必要です。同一の業務でも、工場勤務の製造ラインと事務職では適用される最低賃金が異なる可能性があります。
特定技能の「同等報酬要件」との関係
特定技能の在留資格では、最低賃金を上回ることに加えて、「同一業務に従事する日本人従業員と同等以上の報酬」という要件が設けられています。これは最低賃金とは別の要件であり、業種・地域によっては日本人の平均賃金が最低賃金を大幅に上回る場合があるため、両方の要件を独立して確認する必要があります。
| 要件 | 根拠 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 最低賃金以上 | 最低賃金法 | 愛知労働局の最低賃金額を確認し、自社賃金と照合 |
| 日本人と同等以上の報酬 | 入管法・特定技能に関する省令 | 同一業務の日本人賃金または賃金センサスと比較 |
控除項目の適法な取り扱い
外国人従業員に対して会社が宿舎を提供する場合、宿舎費(家賃)を賃金から控除することがあります。この控除は、①労使協定(賃金控除協定)を締結していること、②控除額が不当に高額でないこと、の2つの条件を満たす必要があります。
最低賃金の計算において、控除される宿舎費・食費は原則として賃金に算入しません。つまり、控除前の総支給額(通勤手当・時間外割増等を除いた部分)を所定労働時間で割った時間給が最低賃金を上回っているかを確認します。宿舎費を高額に設定することで実質的な手取りを最低賃金以下に抑えるような運用は、最低賃金法違反や強制労働問題として問題になります。
注意|控除に関する法的リスク
- 宿舎費・食費の控除は労使協定(賃金控除協定)なしでは違法
- 控除額が市場相場を大幅に超える場合は「強制貯蓄」と同様の問題になりうる
- 育成就労・特定技能では所管省庁が宿舎費の適正水準を確認することがある
- 控除内容・金額は雇用契約書に明示し、入社前に本人の同意を得る
賃金管理の実務ポイント
最低賃金違反を防ぐための実務的な管理ポイントとして、①毎年10月の改定後に自社の賃金テーブル全体を最低賃金と照合する、②外国人従業員の時間給換算額を定期的に確認するシステムを設ける、③新規採用時の内定通知書に明記した賃金が最低賃金を上回っているか確認する、の3点が基本です。特に複数の在留資格・雇用形態が混在する職場では、各従業員の適用最低賃金を一覧管理することが有効です。
よくあるご質問
Q. 愛知県の最低賃金は毎年変わりますか?
愛知県の地域別最低賃金は毎年10月に改定されます。2025年度の水準については厚生労働省・愛知労働局の公式ウェブサイトで最新情報をご確認ください。外国人採用担当者は毎年10月前後に必ず改定額を確認し、自社の賃金が下回っていないか確認する必要があります。
Q. 外国人従業員にも愛知県の最低賃金が適用されますか?
適用されます。最低賃金法の適用に国籍の違いはありません。愛知県内で就労している外国人従業員には、愛知県の地域別最低賃金が適用されます。外国人だからといって低い賃金を設定することは違法です。
Q. 特定技能の「同等報酬要件」と最低賃金の関係は?
最低賃金は最低ラインです。特定技能では、最低賃金を上回ることに加えて「同一業務に従事する日本人と同等以上の報酬」という要件を別途満たす必要があります。業種・地域によっては、日本人の平均賃金が最低賃金を大幅に上回る場合もあるため、両方の要件を確認する必要があります。
Q. 寮費を給与から天引きする場合、最低賃金の計算方法は?
最低賃金の計算では、支払われた賃金(天引き前の総支給額から法定の社会保険料控除相当を除いた額)を所定労働時間で割って時間給換算します。寮費の控除は最低賃金の計算上は一般的に「含まない」扱いになりますが、実質手取りが最低賃金を下回る状況が問題になることがあるため、慎重な管理が必要です。
Q. 最低賃金違反が発覚した場合のペナルティは?
最低賃金法第4条に違反した場合、50万円以下の罰金が科される可能性があります(同法第40条)。また労基署から是正指導を受け、差額賃金の遡及支払いが求められます。外国人従業員に対する違反は社会的影響も大きく、受け入れ機関としての認定取り消しにつながる場合もあります。
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監理支援機関+登録支援機関の両保有 / ミャンマー名誉領事館認定 / 4言語対応ホットライン
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