この記事のポイント
- 外国人労働者とのトラブルで多い事例(賃金未払い・解雇・ハラスメント)を解説
- 就業規則・契約書の多言語化が最も有効な予防策
- 紛争発生時の相談窓口(労基署・外国人労働者相談コーナー)の活用方法
- 育成就労・特定技能における監理支援機関との連携対応
外国人従業員とのトラブルが起きやすい背景
外国人従業員との労働トラブルは、多くの場合「言葉の壁」と「制度・文化の違いへの理解不足」から生じます。日本語のみの就業規則・雇用契約書・給与明細では、外国人従業員が内容を正確に理解できないまま就労を始めることになります。理解できていないルールが適用された場合、従業員側は「聞いていなかった」「不当な扱いを受けた」と感じ、これがトラブルの引き金になります。
また、在留資格の制限・更新への不安、帰国への焦り、日本社会での孤立感なども、外国人従業員のストレスを高め、労働紛争に発展するリスクを高める要因です。これらは適切な情報提供と定期的なコミュニケーションで多くの場合に予防できます。
POINT|外国人労働者とのトラブルで多い事例
- 賃金未払い・給与計算の疑義(控除内容の誤解が最多)
- 突然の解雇・不当解雇の申告
- ハラスメント(パワハラ・差別的発言)
- 無断欠勤・失踪(生活困窮・在留資格問題が背景の場合も)
- 在留資格の更新をめぐる対立(会社が申請補助を怠った場合等)
トラブル予防策:書面整備と多言語化
労働紛争の最も有効な予防策は、労働条件を書面で明確にし、外国人従業員が理解できる言語で説明することです。具体的には以下の書面整備が基本となります。
| 書面 | 多言語対応のポイント |
|---|---|
| 雇用契約書 | 日本語版を正本として、参考訳(母国語版)を同時交付。署名時に内容を口頭でも確認 |
| 就業規則 | 多言語版(参考訳)を整備し、入社時に説明の機会を設ける。確認書に署名取得 |
| 給与明細 | 各項目(基本給・手当・控除)の意味を多言語で説明した補足資料を初月に交付 |
| 業務指示 | 重要な業務指示は書面(可能なら多言語)で交付し、口頭のみに頼らない |
賃金トラブルの予防と対処
外国人従業員との賃金トラブルは、「払っているのに払っていないと主張される」ケースと「実際に支払いに問題がある」ケースの両方があります。最初のケースは、控除内容(社会保険料・住民税・宿舎費等)が理解されていないことが原因であり、給与明細の多言語説明で多くは解決できます。
実際に支払いに問題がある場合(最低賃金を下回る、控除が過剰など)は、労働基準法違反となります。外国人従業員が労基署に申告した場合、是正指導や立入調査につながる可能性があります。賃金の計算方法・控除の根拠を常に説明できる状態に保つことが、企業側のリスク管理として必要です。
ハラスメント対応
外国人従業員へのハラスメントには、日本人に対するものと同様の形態(パワハラ・セクハラ)に加え、国籍・民族・宗教を理由にした差別的発言・行動が加わります。後者は人種差別的なハラスメントとして、特に重大な問題です。「外国人だから」という言動は、たとえ悪意のない場合でも当事者を深く傷つけ、法的問題になる可能性があります。
ハラスメント防止の体制整備として、①ハラスメント防止規程の整備(多言語版も用意)、②外国人従業員が安心して相談できる窓口(母国語対応または第三者)の設置、③管理職向けのダイバーシティ研修の実施、が基本的な対策です。
注意|トラブル発生時に避けるべき対応
- 「外国人だから仕方ない」「本国に帰れ」などの発言は差別的行為として深刻な法的問題になる
- 申告・相談した従業員に対する不利益取り扱い(降格・解雇等)は違法
- 問題を放置・隠蔽することで紛争が拡大するリスクがある
- 育成就労では監理支援機関への報告義務があることを忘れない
紛争発生時の相談窓口
労働紛争が発生した場合、または発生しそうな場合は、早期に専門機関に相談することが解決を早めます。主な相談窓口は以下の通りです。
| 相談窓口 | 特徴・対応内容 |
|---|---|
| 労働基準監督署(労基署) | 賃金不払い・労働条件違反等の申告・相談。愛知県内の最寄りの労基署に相談可能 |
| 外国人労働者相談コーナー | 労働局・ハローワーク内設置。多言語での相談対応が可能な場合あり |
| 愛知県労働局 | 個別労働紛争解決制度(あっせん)の活用が可能 |
| 法テラス(日本司法支援センター) | 弁護士相談の費用補助制度あり。外国人も利用可能 |
| 監理支援機関(育成就労の場合) | 育成就労生のトラブルは監理支援機関が相談・調整に入る義務を持つ |
よくあるご質問
Q. 外国人従業員から「賃金が少ない」と言われた場合の対応は?
まず給与明細を一緒に確認し、各項目(基本給・手当・控除)を多言語で説明することが最初の対応です。控除内容(社会保険・住民税・宿舎費等)が理解されていないケースが多く、丁寧な説明だけで解決することも多いです。それでも納得しない場合は、労基署への相談窓口を紹介します。
Q. 外国人従業員を解雇する場合に特別な手続きは必要ですか?
解雇の手続きは日本人と同様です。解雇予告(30日前までの予告または30日分の解雇予告手当)が必要です。また、特定技能・育成就労では所管省庁への届出が必要になる場合があります。不当解雇は在留資格取消しを伴わないため、法的手続きに従った解雇が必要です。
Q. 外国人従業員からハラスメントの申告があった場合は?
外国人であっても日本人と同様に、ハラスメントを申告する権利があります。申告があった場合は速やかに事実確認を行い、必要に応じて加害者への指導・配置転換等の措置を講じます。申告者への不利益取り扱いは法律で禁止されています。
Q. 外国人労働者専門の相談窓口はありますか?
あります。厚生労働省の「外国人労働者相談コーナー」(全国の労働局・ハローワークに設置)や、愛知県の「外国人労働者支援センター」が主な窓口です。多言語での相談対応が可能な窓口もあります。
Q. 外国人従業員が突然無断欠勤をした場合の対応は?
まず電話・メッセージで本人と連絡を取ることを試みます。連絡が取れない場合は緊急連絡先(身元保証人等)に連絡します。病気・事故・家庭の事情のほか、在留資格の問題や精神的な問題が原因の場合もあります。育成就労の場合は監理支援機関にも連絡し、対応方針を相談することが重要です。
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監理支援機関+登録支援機関の両保有 / ミャンマー名誉領事館認定 / 4言語対応ホットライン
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