この記事の結論
- 入国後講習は日本語・法令知識・生活ルール等を入国直後に実施する義務講習です。
- 講習費用は受入企業負担が原則。外国人材本人への費用転嫁は禁止です。
- 実施記録は所定の様式で保管し、監理支援機関による確認の対象になります。
入国後講習の法的根拠と概要
育成就労制度(2027年4月1日施行)では、外国人材が入国した直後に入国後講習を実施することが義務づけられます。この講習は技能実習制度における「入国後講習(集合講習)」に相当するもので、外国人材が日本での就労・生活を適切にスタートするための基礎知識を身につけることを目的としています。
法的根拠は育成就労法(外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律)および同法に基づく省令・告示に定められます。2026年6月時点では詳細な運用要領は確定していませんが、技能実習制度での実績と制度設計の方向性から、日本語・日本の法令・生活ルール・権利義務に関する講習が中心になると見込まれます。
POINT|入国後講習は「就労」ではない
- 入国後講習の期間中は技能・技術の習得を目的とした就労活動ではありません。
- この期間中に製造・介護などの業務に従事させることは法令違反となります。
- 講習専念期間中も生活費の手当を支給することが必要です(賃金ではなく手当の扱い)。
実施期間・内容テーブル
入国後講習の実施時間・内容は運用要領で定められます。以下は技能実習制度での実績および育成就労の制度設計の方向性に基づく参考情報です。施行後は必ず確定版の運用要領を確認してください。
| 科目 | 主な内容 | 推定時間(参考) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 日本語教育 | 日常会話・職場での基本的なコミュニケーション(挨拶・指示理解・報告等) | 講習時間の過半数以上 | 入国前A1達成を前提として職場レベルのA2取得に向けた継続教育 |
| 法令・権利義務 | 労働基準法・最低賃金法・育成就労法の主要規定、在留資格の基礎、相談窓口の案内 | 数時間程度 | 外国語(母語)での説明が推奨される |
| 生活ルール・マナー | ゴミ分別・騒音・近隣ルール・交通ルール・医療機関の利用方法 | 数時間程度 | 居住地域の実情に合わせた説明が重要 |
| 職場ルール・安全衛生 | 就業規則・職場内ルール・労働災害防止・機械・薬品の安全取扱い | 数時間程度 | 現場の特性に合わせてカスタマイズ |
| 緊急時対応・相談窓口 | 火事・地震・不審者等への対応、外部相談窓口(外国人技能実習機構等)の案内 | 1〜2時間程度 | 緊急連絡先リストを配布することが推奨される |
注意|時間数・科目は運用要領で確定
- 上表の時間数は技能実習制度の実績に基づく参考値です。育成就労での確定時間は施行後の運用要領でご確認ください。
- 科目ごとの最低実施時間を下回ると、計画違反として改善指導の対象になる可能性があります。
実施主体(委託 vs 自社)の選択肢
入国後講習の実施主体は、受入企業が自社で行う方法と、外部機関に委託する方法の2種類があります。それぞれのメリット・デメリットを比較して選択することが重要です。
| 実施方法 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| 監理支援機関・登録支援機関に委託 | 専門知識・多言語対応・法令情報が充実。自社担当者の負担が少ない。記録管理も委託先が対応。 | 委託費用が発生する。委託先の質にバラつきがある場合がある。 |
| 日本語学校・教育機関に委託 | 日本語教育に特化した専門性。生活ルール教育も経験豊富な機関が多い。 | 法令・権利義務科目は別途手配が必要な場合がある。 |
| 受入企業が自社実施 | 職場に即した内容にカスタマイズしやすい。コストを抑えられる場合がある。 | 日本語教育・法令教育の専門知識が必要。記録管理・講師確保の負担がある。講習の質確保が課題。 |
POINT|委託しても責任は受入企業に残る
- 委託した場合でも、講習の実施状況確認・記録保管の義務は受入企業に残ります。
- 委託先が適切に講習を実施しているかを定期的に確認する体制を整えましょう。
- 委託契約書に実施内容・記録提出義務を明記しておくことが重要です。
記録書類の様式と保管義務
入国後講習の実施記録は、監理支援機関による監査・出入国在留管理庁への報告の基礎資料になります。記録の不備・未保管は行政指導の対象となるため、確実な管理が必要です。
主な記録書類
- 講習実施記録:実施日・科目・実施時間・講師名・受講者氏名を記録した書類(所定様式)
- 出席簿:受講者の出欠・遅刻・欠席事由を記録した書類
- テキスト・教材:使用したテキスト・配布物のコピーまたは電磁的記録
- 理解度確認記録:確認テスト・口頭確認等の実施記録(実施した場合)
- 委託契約書:外部委託した場合は委託先との契約書コピー
保管期間の目安
技能実習制度では実習終了後5年間の保管が義務づけられていました。育成就労でも同程度の保管期間が求められる見込みです。電磁的記録(PDF等)での保管が認められる方向ですが、施行後の運用要領で確定します。
費用負担ルール(企業負担が原則)
入国後講習にかかる費用は、受入企業または監理支援機関が負担することが原則です。外国人材本人に費用を転嫁することは禁止されています。
| 費用の種類 | 負担者 | 備考 |
|---|---|---|
| 講習受講料・委託費用 | 受入企業または監理支援機関 | 外部委託の場合の委託費用。本人転嫁禁止。 |
| 講習期間中の手当(生活費) | 受入企業 | 就労でないため「賃金」ではなく「手当」として支給。最低賃金規定の直接適用はないが、生活に足る水準が求められる。 |
| 講習会場までの交通費 | 受入企業または監理支援機関 | 実費相当を負担することが求められる。 |
| 教材・テキスト費用 | 受入企業または監理支援機関 | 本人に実費請求することは不可。 |
| 通訳費用 | 受入企業または監理支援機関 | 母語での説明が必要な場合。本人転嫁禁止。 |
注意|費用転嫁は厳禁
- 講習費用を外国人材の賃金から天引きしたり、後日請求したりすることは法令違反です。
- 送出し機関段階での費用(渡航費・ビザ費用等)の本人負担についても、上限規制が設けられる見込みです。
- 費用負担ルールは分野別ガイドラインによって詳細が定められる場合があります。
入国後講習の実施計画・委託先の選定をご支援します。 記録管理から多言語対応まで、CSTMにご相談ください。
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Q. 育成就労の入国後講習は何日間必要ですか?
入国後講習の期間は育成就労制度の運用要領で定められます。技能実習の「集合講習」に相当するもので、日本語・法令知識・生活ルールなどを一定時間以上実施することが求められます。制度施行後(2027年4月1日以降)の運用要領で確定する内容ですが、現行の技能実習制度では入国後1ヶ月程度の講習が求められていた点が参考になります。最新の官公庁資料を確認してください。
Q. 入国後講習を外部機関に委託することはできますか?
はい。監理支援機関や登録支援機関、日本語学校などへの委託が認められる見込みです。委託先の資格要件・記録義務は運用要領で定められます。委託する場合でも、受入企業は講習の実施状況を確認し、記録を保管する義務があります。
Q. 入国後講習中の賃金・費用は誰が負担しますか?
入国後講習期間中は就労ではなく「講習」であるため、技能実習制度と同様に賃金ではなく「手当」として支払う形になります。ただし講習費用(受講料・交通費・通訳費用等)は受入企業または監理支援機関が負担することが原則です。外国人材本人に費用を転嫁することはできません。
Q. 入国後講習の記録はどのくらいの期間保管する必要がありますか?
記録の保管期間は運用要領で定められますが、技能実習制度では5年間の保管が求められていました。育成就労においても同程度の保管期間が設けられる見込みです。電磁的記録での保管も認められる方向ですが、具体的な要件は施行後の運用要領でご確認ください。
Q. CSTMは入国後講習のサポートをしてくれますか?
はい。CSTMは監理支援機関として、入国後講習の実施計画の策定・委託先の選定・記録書類の管理をサポートします。ミャンマー語など多言語対応の通訳手配も可能です。詳細はお問い合わせください。
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監理支援機関+登録支援機関の両保有 / ミャンマー名誉領事館認定 / 4言語対応ホットライン
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