この記事のポイント
- 雇用保険は国籍に関係なく適用(週20時間以上・31日以上雇用見込み)
- 喪失届は離職日翌日から10日以内・離職票の交付も必須
- 失業給付の受給資格・待機期間・給付日数をわかりやすく解説
- 在留期間が短い場合は給付期間が制限される場合がある
雇用保険の加入義務と外国人への適用
雇用保険は、労働者が失業した場合に生活を安定させ再就職を促進することを目的とした公的保険制度です。日本の雇用保険法は国籍による適用除外を設けておらず、外国人労働者も日本人と同様に加入義務の対象となります。具体的には、週の所定労働時間が20時間以上で、かつ31日以上の雇用見込みがある場合は、在留資格の種類を問わず雇用保険の適用を受けます。
加入手続きは採用日から10日以内に「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワーク(公共職業安定所)に提出することで行います。外国人従業員の場合は、在留カードの在留資格・在留期間等の情報も届出に必要となります。なお、育成就労・特定技能・技術・人文知識・国際業務などの在留資格で就労する外国人は、すべて雇用保険の加入対象となります。
POINT|雇用保険が適用されない主なケース
- 週の所定労働時間が20時間未満のパートタイム労働者
- 31日未満の短期雇用(ただし反復更新される場合は適用あり)
- 日雇い労働者(特別加入制度あり)
- 外交・公用などの在留資格で就労する外国人
喪失届の提出タイミングと手続き
従業員が退職・解雇・雇用契約満了などにより雇用保険の被保険者でなくなった場合、企業は「雇用保険被保険者資格喪失届」を離職日の翌日から10日以内にハローワークへ提出しなければなりません。この手続きを怠ると、離職した外国人従業員が失業給付を受けられなくなる可能性があり、企業は行政指導を受けることがあります。
喪失届の提出に合わせて「離職証明書」も作成する必要があります。離職証明書には、離職前の賃金(6か月分)や離職理由を記載します。ハローワークで確認・押印を受けた後、「離職票」として従業員に交付します。外国人従業員が帰国前に失業給付の受給申請を行う場合はこの離職票が必要となるため、確実に交付してください。
失業給付(基本手当)の受給資格と給付日数
雇用保険の基本手当(いわゆる失業給付)を受け取るためには、原則として離職前2年間に通算して12か月以上の被保険者期間(特定受給資格者・特定理由離職者は6か月以上)が必要です。受給申請はハローワークへの離職票の提出により行います。
給付を受けるにあたっては、まず7日間の待機期間があります(その間は給付なし)。自己都合退職の場合はさらに2か月(5年以内に2回以上の自己都合退職の場合は3か月)の給付制限期間が追加されます。会社都合退職(解雇・倒産等)の場合は待機期間7日後から支給が始まります。
| 離職理由 | 待機期間 | 給付制限 | 給付日数(例:被保険者期間5年未満) |
|---|---|---|---|
| 会社都合退職(解雇・倒産等) | 7日 | なし | 90〜150日 |
| 自己都合退職(1回目) | 7日 | 2か月 | 90〜120日 |
| 自己都合退職(2回目以上/5年以内) | 7日 | 3か月 | 90〜120日 |
在留資格との関係と在留期間が短い場合の扱い
外国人が失業給付を受給するためには、日本国内に在留する合法的な資格を有することが前提となります。在留期間の満了前に失業し、受給中に在留期間が切れてしまう場合は、給付が打ち切られる可能性があります。外国人従業員が失業した際には、早めにハローワークへ相談し、在留期間と給付期間の関係を確認することが重要です。
育成就労や特定技能の外国人が雇用契約を終了した場合、在留資格の変更が必要になることがあります。特定技能1号から他の在留資格への変更申請中であれば、在留期間が仮に延長される場合もあるため、出入国在留管理庁への確認が不可欠です。企業としては、外国人従業員が離職する際に在留資格の対応についても情報提供することが求められます。
自己都合退職と会社都合退職の違い
離職理由は失業給付の受給に大きく影響します。会社都合退職(解雇・希望退職・雇い止め等)の場合は、給付制限なく比較的短い待機後から給付が始まり、給付日数も自己都合より長くなります。一方、自己都合退職(転職・個人的事情等)の場合は給付制限期間が加算されます。
外国人従業員が離職する際に、離職理由をめぐってトラブルになるケースがあります。特に、契約期間満了での雇い止めは「特定理由離職者」として会社都合に近い扱いを受けることがあります。離職証明書の離職理由欄を正確に記載することが重要であり、不当な記載は後日ハローワークの調査対象となりえます。
注意|外国人の雇用保険手続きでよくある問題
- 加入手続きが遅れて被保険者期間が不足し、失業給付が受けられないケース
- 離職票の交付が遅れ、外国人従業員が帰国前に手続きできないケース
- 在留期間の満了と給付期間が重なり、受給途中で帰国を余儀なくされるケース
- 「外国人雇用状況の届出」を忘れて行政指導を受けるケース
よくあるご質問
Q. 外国人従業員は雇用保険に加入しなければなりませんか?
週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある外国人従業員は、国籍・在留資格に関係なく雇用保険への加入が義務です。加入手続きは採用日から10日以内に行う必要があります。
Q. 在留期間が短い外国人(例:残り6か月)でも失業給付を受けられますか?
失業給付(基本手当)は、一般的に離職前2年間に12か月以上の被保険者期間が必要です。在留期間が給付期間満了前に切れる場合は、給付期間が在留期限までに制限されることがあります。詳細はハローワークで確認が必要です。
Q. 外国人が会社都合で退職した場合と自己都合退職では何が違いますか?
会社都合退職(解雇・希望退職等)の場合は、待機期間7日後から基本手当が支給されます。自己都合退職の場合は、7日間の待機に加えて2か月(5年以内に2回以上の場合は3か月)の給付制限期間があります。会社都合の方が給付開始が早く、給付日数も長くなる場合があります。
Q. 雇用保険喪失届の提出タイミングはいつですか?
従業員が離職した場合、会社は離職日の翌日から10日以内に「雇用保険被保険者資格喪失届」をハローワークへ提出しなければなりません。あわせて「離職証明書」も作成・提出し、確認を受けた「離職票」を従業員に交付します。
Q. 外国人従業員の雇用保険加入状況はどこで確認できますか?
外国人労働者の雇用保険加入状況はハローワーク(公共職業安定所)で確認できます。また、「外国人雇用状況の届出」は雇用保険被保険者資格取得届・喪失届の提出と同時に行うことになっており、在留資格・在留期間等の情報を届け出る義務があります。
外国人の雇用保険手続き、CSTMにご相談ください
名古屋・愛知を拠点に全国対応 / 監理支援機関+登録支援機関の両保有 / ミャンマー名誉領事館認定
4言語対応ホットライン / 初回相談・お見積もり完全無料 / 24時間以内に折り返し