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Guide / 社保・税務

外国人従業員の健康保険活用完全ガイド

この記事のポイント

  • 社会保険適用事業所では外国人も健康保険加入が義務(国籍不問)
  • 保険証提示で医療費3割負担・高額療養費制度も利用可能
  • 傷病手当金・出産育児一時金など各種給付の説明方法を解説
  • 海外居住の家族は被扶養者の対象外・帰国時は資格喪失手続きが必要

公開日:2026年6月7日 / カテゴリ:社保・税務 / 対象:外国人採用担当者

この記事のポイント

  • 社会保険適用事業所では外国人も健康保険加入が義務(国籍不問)
  • 保険証提示で医療費3割負担・高額療養費制度も利用可能
  • 傷病手当金・出産育児一時金など各種給付の説明方法を解説
  • 海外居住の家族は被扶養者の対象外・帰国時は資格喪失手続きが必要

健康保険の加入義務と社会保険適用事業所

日本の健康保険制度は、社会保険適用事業所に雇用されるすべての従業員を対象としており、外国人従業員も例外ではありません。適用事業所とは、株式会社などの法人事業所、または常時5人以上の従業員を雇用する一部の個人事業所を指します。これらの事業所に週30時間以上勤務する労働者(または正社員の所定労働時間の4分の3以上勤務する者)は、原則として健康保険・厚生年金保険への加入が義務付けられています。

外国人従業員がどの国籍であっても、在留資格が適法であれば健康保険への加入対象となります。外国人だからといって加入を免除することはできず、企業が加入手続きを怠った場合は行政指導や保険料の遡及徴収の対象となります。育成就労や特定技能で受け入れた外国人材についても、入社直後から加入手続きを行うことが重要です。

POINT|加入手続きの基本

  • 入社日が資格取得日となる(翌月1日ではない)
  • 「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を5日以内に年金事務所へ提出
  • マイナンバーの提供を受け、届出書に記載
  • 保険証(または資格情報のお知らせ)が交付されるまで2〜3週間かかる場合がある

保険証の使い方と3割負担の仕組み

健康保険に加入した外国人従業員には保険証(健康保険被保険者証)が交付されます。医療機関を受診する際に保険証を窓口で提示することで、医療費の自己負担割合が原則3割(70歳未満)になります。残りの7割は健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)が負担します。

外国人従業員に対しては、「保険証を常に携帯すること」「医療機関を受診する際には必ず保険証を提示すること」「保険証なしで受診すると一時的に10割を自己負担しなければならないこと」を多言語で説明しておくことが重要です。また、歯科・眼科・精神科なども健康保険の対象となることを伝えると安心につながります。

なお、2024年以降、マイナンバーカードが健康保険証として利用できる「マイナ保険証」の利用が拡大しています。外国人従業員がマイナンバーカードを取得している場合は、マイナ保険証としての利用方法についても案内することが望ましいです。

高額療養費・傷病手当金・出産育児一時金の説明方法

健康保険には、医療費が高額になった場合の負担軽減制度が複数あります。外国人従業員にとっては理解しにくい制度であるため、企業側が入社時オリエンテーションでわかりやすく説明することが定着率向上にもつながります。

高額療養費制度

1か月の医療費の自己負担額が一定の上限額(標準報酬月額に応じて異なる)を超えた場合に、超えた分が後日払い戻される制度です。事前に「限度額適用認定証」を申請して医療機関に提示すれば、窓口での支払いを上限額以内に抑えられます。入院や高額の治療が見込まれる場合は、外国人従業員に限度額適用認定証の申請を案内することが重要です。

傷病手当金

業務外の病気・ケガで連続3日以上休業し、4日目以降に賃金の支払いがない場合に、標準報酬日額の3分の2相当が支給される制度です。外国人従業員が病気で長期療養が必要になった際に生活を支える重要な給付です。申請には医師の意見書が必要となります。

出産育児一時金

被保険者(外国人従業員)または被扶養者が出産した場合に、子ども1人あたり50万円(2023年4月から引き上げ)が支給される制度です。日本在住の配偶者が被扶養者として認定されていれば、その出産にも適用されます。

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被扶養者申請と海外家族の扱い

健康保険では、被保険者(従業員本人)が主として生計を維持する一定の範囲の家族を「被扶養者」として認定できます。被扶養者として認定されると、本人の保険料負担のみで家族も保険の適用を受けられます(追加保険料なし)。

しかし、被扶養者として認定されるためには、原則として日本国内に居住していることが条件です。外国人従業員の母国に住む配偶者や子どもは、原則として被扶養者の対象外となります。海外に居住する家族を被扶養者として申請しても、協会けんぽ等の審査で認定されないケースがほとんどです。

注意|海外家族の医療費について

  • 海外在住の家族は健康保険の被扶養者になれない(国内居住要件)
  • 海外で治療を受けた場合は「海外療養費」として一部請求できる制度がある
  • 海外療養費の申請には領収書・診療内容の明細書・翻訳等が必要
  • 給付額は国内基準で計算されるため、実際の費用より低くなる場合がある

帰国時の資格喪失手続き

外国人従業員が退職・帰国する場合、退職日の翌日が健康保険の資格喪失日となります。企業は「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届」を資格喪失日から5日以内に管轄の年金事務所に提出しなければなりません。また、退職する従業員から保険証を回収し、年金事務所へ返納する手続きも必要です。

退職後の健康保険については、外国人従業員が帰国せずに日本に残る場合は、任意継続被保険者制度(退職後最長2年間、全額自己負担で継続加入)か、国民健康保険への切り替えが選択肢となります。帰国する場合は、健康保険の資格を喪失してから出国することになります。

育成就労・特定技能で就労する外国人が計画的な帰国時期を迎える場合は、事前に健康保険の資格喪失手続きスケジュールを確認し、余裕を持って対応することが重要です。

多言語での制度説明と支援体制

健康保険制度は日本語でも複雑であるため、外国人従業員への多言語での説明が不可欠です。協会けんぽでは英語・中国語・ポルトガル語・スペイン語などで制度の概要を説明したパンフレットを提供しています。愛知県内では名古屋外国人相談センターや愛知県国際交流協会(AIA)などが多言語の医療相談窓口を設けています。

CSTMキャリアサポートでは、登録支援機関として外国人材の生活全般にわたる支援体制を整えており、健康保険の手続きや制度説明のサポートも提供しています。ミャンマー語・ベトナム語・英語・日本語の4言語対応ホットラインを通じて、外国人従業員が困ったときにすぐに相談できる環境を構築しています。

よくあるご質問

Q. 外国人従業員は健康保険に加入しなければなりませんか?

社会保険適用事業所に雇用された外国人従業員は、国籍に関係なく健康保険への加入が義務です。週30時間以上(または正社員の4分の3以上)勤務する場合は原則加入対象となります。加入手続きを怠った場合、企業は指導・是正命令を受けることがあります。

Q. 外国人従業員の保険証はどのように使いますか?

保険証(健康保険被保険者証)を医療機関の窓口に提示することで、医療費の自己負担が原則3割(70歳未満)になります。外国人従業員には、「保険証を必ず携帯すること」「保険証を提示しないと10割負担になること」を多言語で説明することを推奨します。

Q. 外国人従業員の海外の家族(配偶者・子ども)を被扶養者にできますか?

健康保険の被扶養者として認定されるには、原則として日本国内に居住していることが要件です。海外に居住する家族は原則として被扶養者の対象外となります。ただし例外的に海外療養費制度を利用できる場合があるため、詳細は協会けんぽ等に確認してください。

Q. 高額療養費制度とはどのような制度ですか?

高額療養費制度は、1か月の医療費の自己負担額が一定の上限(標準報酬月額によって異なる)を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。外国人従業員も日本人と同じように利用できます。事前に限度額適用認定証を取得すれば、窓口での支払いを上限額に抑えることもできます。

Q. 帰国する外国人従業員の健康保険資格喪失手続きはどうすればよいですか?

外国人従業員が退職・帰国する際は、退職日の翌日が資格喪失日となります。会社は「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届」を5日以内に年金事務所へ提出する必要があります。退職する従業員からは保険証を回収し、返納してください。

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