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Guide / 社保・税務

外国人従業員の労災保険・手続き完全版

この記事のポイント

  • 労災保険は外国人にも適用(不法就労者を含む全ての労働者が対象)
  • 労災発生時の企業の報告義務・手続きフローを段階的に解説
  • 療養補償・休業補償給付の申請書類と記載方法
  • 多言語対応の労基署窓口と通訳手配、安全管理の予防策

公開日:2026年6月7日 / カテゴリ:社保・税務 / 対象:外国人採用担当者

この記事のポイント

  • 労災保険は外国人にも適用(不法就労者を含む全ての労働者が対象)
  • 労災発生時の企業の報告義務・手続きフローを段階的に解説
  • 療養補償・休業補償給付の申請書類と記載方法
  • 多言語対応の労基署窓口と通訳手配、安全管理の予防策

労災保険は外国人にも適用される

労働者災害補償保険(労災保険)は、業務中または通勤中に発生した負傷・疾病・障害・死亡に対して給付を行う制度です。重要なのは、労災保険は国籍や在留資格の合法性を問わず、「労働者として使用されている事実」があれば適用されることです。したがって、育成就労・特定技能・技術・人文知識・国際業務などの在留資格で就労する外国人はもちろん、正規の在留資格を持たない不法就労者であっても労災保険の給付対象となります。

労災保険は事業主が全額保険料を負担する制度であり、労働者の負担はありません。労働者を1人でも雇用する事業主には原則として加入義務があります。保険関係の成立は事業開始日から自動的に成立しますが、所定の届出が必要です。外国人労働者の安全衛生管理においても、日本人と同等の保護を提供することが法律上の義務です。

POINT|労災保険の適用対象

  • 育成就労・特定技能・技術人文知識国際業務等の在留資格で就労する外国人
  • 永住者・定住者・日本人の配偶者等の身分系在留資格の外国人
  • 不法就労者(在留資格に関係なく業務実態で判断)
  • 派遣労働者(派遣元事業主が加入する労災保険が適用)

労災発生時の企業の報告義務と手続きフロー

労災が発生した場合、企業はただちに以下の手順で対応しなければなりません。まず第一に被災者の救護と適切な医療機関への搬送を行います。重篤な場合は救急車を呼ぶとともに、可能であれば指定医療機関(労災病院・労災指定病院)への搬送が望ましいです。

次に、労働者が4日以上休業する労働災害が発生した場合は、「労働者死傷病報告(様式第23号)」を遅滞なく(目安として発生後1か月以内)所轄の労働基準監督署に提出しなければなりません。休業が3日以内の場合は、四半期ごとに集計して翌期の最初の月末日(1月末・4月末・7月末・10月末)までに提出します。この届出を怠ると「労災隠し」として刑事罰の対象となる場合があります。

療養補償給付・休業補償給付の申請方法

労災により医療機関で治療を受ける場合、療養補償給付として治療費が全額給付されます。指定医療機関での受診であれば、窓口での費用負担はありません。請求書(様式第5号)を医療機関に提出すれば、医療機関が直接労基署に請求します。指定外の医療機関の場合は、いったん費用を立て替えてから様式第7号で労基署に請求します。

業務上の傷病で4日以上療養のため休業する場合は、休業補償給付として給付基礎日額の60%が4日目から支給されます(最初の3日間の待機期間は事業主が補償)。申請は「休業補償給付支給請求書(様式第8号)」を所轄の労基署へ提出します。外国人従業員の場合は書類の記載方法が理解しにくい場合があるため、担当者がサポートすることが重要です。

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外国語対応の労基署窓口と通訳手配

愛知県には愛知労働局が管轄する複数の労働基準監督署があります。名古屋市内の労基署では外国語対応の相談員が配置されている場合があります。また、愛知労働局の「外国人労働者相談コーナー」では英語・中国語・ポルトガル語・スペイン語・タガログ語・ベトナム語等に対応した相談サービスを提供しています。

労災発生時に外国人従業員が適切に状況を説明できない場合は、通訳の手配が不可欠です。企業内に通訳できる者がいない場合は、外部の通訳サービスや行政の多言語支援を活用することを検討してください。CSTMキャリアサポートでは4言語(ミャンマー語・ベトナム語・英語・日本語)対応のホットラインを運営しており、緊急時の通訳支援にも対応しています。

予防策としての安全管理

外国人労働者の労災を防ぐためには、日本語のみの安全教育では不十分です。機械操作・化学物質の取り扱い・作業手順等の安全指示は、外国人従業員の母国語または理解できる言語で行う必要があります。安全標識・警告表示の多言語化も効果的です。

特に製造業・建設業・農業などのリスクが高い職場では、OJT(職場内訓練)と並行して安全衛生教育を実施することが義務付けられています。外国人従業員に対しては、雇い入れ時に安全衛生教育(労働安全衛生法第59条)を行い、その内容を母国語で確認することが重要です。

注意|労災対応でよくある問題

  • 労災隠し(報告義務違反)は刑事罰の対象となる
  • 外国人従業員が「会社に迷惑をかけたくない」と申告をためらうケース
  • 安全教育が日本語のみで実施され内容が伝わっていないケース
  • 通勤災害(通勤中の事故)も労災の対象であることを伝えていないケース

よくあるご質問

Q. 外国人従業員が労災に遭った場合、企業はどのような手続きをする必要がありますか?

労災が発生した場合、企業はまず被災者の救護・医療機関への搬送を行い、次に労働基準監督署への労働者死傷病報告を提出します(休業4日以上は遅滞なく、3日以下は翌年1月末日まで)。また、療養補償給付・休業補償給付の請求書作成を支援することが重要です。

Q. 不法就労している外国人が労災に遭った場合も労災保険は適用されますか?

労災保険は適法・不法を問わず、実際に労働者として使用されていたすべての者に適用されます。不法就労者であっても、業務上の負傷・疾病に対して療養補償・休業補償等の給付を受ける権利があります。ただし不法就労そのものは別途入管法上の問題として処理されます。

Q. 労災の療養補償給付はどのように申請しますか?

指定医療機関で受診した場合は「療養補償給付たる療養の給付請求書(様式第5号)」を医療機関に提出します。指定外の医療機関の場合は「療養補償給付たる療養の費用請求書(様式第7号)」を労基署に提出して費用を請求します。外国人従業員の場合は書類作成の支援が必要です。

Q. 外国語で対応している労働基準監督署はありますか?

一部の労働局・労基署では外国語対応の相談窓口を設けています。愛知県では愛知労働局が外国人労働者相談コーナーを設置しており、英語・中国語・ポルトガル語等での相談が可能です。また、厚生労働省の「外国人労働者向け相談・支援」ページにも多言語情報があります。

Q. 休業補償給付はいつから受けられますか?

業務上の傷病で療養のために休業した場合、休業4日目から休業補償給付が支給されます(給与の60%相当)。最初の3日間(待機期間)は事業主が平均賃金の60%以上を補償する義務があります。外国人従業員が長期休業となった場合は、休業特別支給金(20%)も合わせて実質的に給与の80%相当を受け取れます。

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