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Guide / 社保・税務

外国人の年金・脱退一時金申請ガイド

この記事のポイント

  • 脱退一時金は帰国後2年以内に日本年金機構へ申請(被保険者期間6か月以上)
  • 申請に必要な書類・計算方法・受取額の目安を解説
  • 社会保障協定国(ドイツ・韓国・中国等)の外国人は扱いが異なる
  • 企業ができる申請サポートの範囲と多言語案内の重要性

公開日:2026年6月7日 / カテゴリ:社保・税務 / 対象:外国人採用担当者

この記事のポイント

  • 脱退一時金は帰国後2年以内に日本年金機構へ申請(被保険者期間6か月以上)
  • 申請に必要な書類・計算方法・受取額の目安を解説
  • 社会保障協定国(ドイツ・韓国・中国等)の外国人は扱いが異なる
  • 企業ができる申請サポートの範囲と多言語案内の重要性

脱退一時金制度の概要

日本の公的年金(国民年金・厚生年金保険)は、老齢・障害・遺族の保護を目的とした制度です。年金を受給するためには原則として10年以上の被保険者期間が必要ですが、育成就労・特定技能など短期間の在留を前提とした外国人はこの期間を満たせないことがほとんどです。そこで設けられているのが「脱退一時金」制度です。

脱退一時金とは、年金受給権を持たない外国人が日本を出国した際に、納付した年金保険料の一部を一時金として受け取れる制度です。厚生年金については最大5年分(60か月)の保険料相当額が返還されます(2021年4月以降に出国した場合。それ以前は最大36か月分)。帰国後2年以内に申請しないと受け取れなくなるため、企業側からも外国人従業員に事前に制度を説明することが重要です。

POINT|脱退一時金申請の5つの要件

  • 日本国籍を有していないこと
  • 国民年金または厚生年金保険の被保険者期間が6か月以上あること
  • 年金(老齢・障害・遺族)を受ける権利を有したことがないこと
  • 日本国内に住所を有していないこと(出国後に申請)
  • 帰国後2年以内に申請すること(時効2年)

申請書類と申請先

脱退一時金の申請先は日本年金機構(本部)で、帰国後に郵送で申請します。日本国内にある場合は申請できないため、必ず帰国・出国後に手続きを行います。主な必要書類は以下のとおりです。

書類内容・注意点
脱退一時金裁定請求書日本年金機構のウェブサイトからダウンロード可能
パスポート(写し)氏名・生年月日・国籍・在留資格・入出国日が確認できるページ
基礎年金番号通知書または年金手帳在職中に保管していた書類
銀行口座の確認書類母国の銀行口座情報(SWIFTコード等)
在留カード(写し)在留期間・資格の確認用

計算方法と受取額の目安

厚生年金の脱退一時金の計算式は「平均標準報酬額 × 支給率」です。支給率は被保険者期間の月数に応じて区分されており、例えば36か月以上48か月未満の場合は「12分の5」(5か月分相当)、48か月以上60か月以上の場合は「12分の6」(6か月分相当)となっています(最大は60か月以上で「12分の6」)。

平均標準報酬月額が20万円の外国人が3年間(36か月)厚生年金に加入していた場合、受取額の目安は20万円 × 5/12 × 0.5(所得税源泉徴収20.42%を差し引く前)となります。実際の受取額は概算で6〜8万円程度になるケースが多いです。帰国前に概算額を計算して伝えることで、外国人従業員の安心感につながります。

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社会保障協定国との違い

日本は多くの国と社会保障協定を締結しており、協定国の国民については年金保険料の二重払い防止や加入期間の通算が行われます。主な協定締結国はドイツ・米国・カナダ・オーストラリア・フランス・ベルギー・スイス・オランダ・チェコ・スペイン・アイルランド・ブラジル・スイス・イギリス・韓国・中国・イタリア・フィリピン・スロバキア・ハンガリー・インドなどです。

協定国の外国人の場合、日本での厚生年金加入期間が協定国の年金受給期間に通算されるため、脱退一時金を受け取れない(または制限される)場合があります。例えば、韓国・中国・フィリピン・インドなどからの外国人従業員は、協定の内容によって脱退一時金の扱いが異なります。帰国前に日本年金機構または協定国の年金当局へ確認することを推奨します。

会社の手続きサポートの範囲

企業は脱退一時金の申請手続きを代理で行うことはできませんが、外国人従業員が適切に申請できるよう支援することが求められます。具体的なサポートとしては、入社時・帰国前オリエンテーションで脱退一時金制度を説明すること、申請書の書き方を多言語で案内すること、必要書類のリストを提供すること、年金事務所への問い合わせに同行・通訳することなどが挙げられます。

育成就労・特定技能で受け入れた外国人材については、登録支援機関が帰国時の各種手続きサポートを担当することが一般的です。CSTMキャリアサポートでは、外国人従業員の帰国手続き全般(社会保険喪失・年金・住民票抹消等)についても多言語でサポートしています。

よくあるご質問

Q. 脱退一時金とはどのような制度ですか?

脱退一時金は、国民年金や厚生年金保険に加入していた外国人が日本を出国(帰国)した場合、一定の条件のもとで保険料の一部を一時金として受け取れる制度です。年金受給に必要な期間(10年以上)を満たさずに帰国する外国人が対象で、帰国後2年以内に申請する必要があります。

Q. 脱退一時金を申請できる条件は何ですか?

脱退一時金の主な要件は、①日本国籍を有しないこと、②国民年金または厚生年金保険の被保険者期間が6か月以上あること、③年金を受ける権利を有したことがないこと、④日本に住所を有しないこと(日本出国後)、⑤申請が帰国後2年以内であること、の5つです。

Q. 脱退一時金の受取額はどのくらいですか?

厚生年金の脱退一時金額は、「平均標準報酬額 × 支給率(被保険者期間の区分に応じた率)」で計算されます。例えば被保険者期間が3年の場合、支給率は平均標準報酬月額の約10分の1.5(6か月分相当)が目安となります。国民年金の脱退一時金は保険料納付済み期間に応じて計算されます。

Q. 社会保障協定を結んでいる国の外国人は脱退一時金を受け取れますか?

社会保障協定を結んでいる国(ドイツ・韓国・米国・中国・フィリピン等)の国民は、協定の内容によって脱退一時金が受け取れない場合があります。協定国の年金制度へのカバー期間の通算が行われるため、その分の保険料を脱退一時金として受け取れないケースがあります。

Q. 会社は脱退一時金申請にどこまでサポートできますか?

会社として直接申請手続きを代行することはできませんが、申請書類の書き方の説明、日本年金機構への問い合わせのサポート、必要書類(年金手帳・パスポート等)の準備の確認、多言語での手続き案内などのサポートが可能です。申請は本人が日本年金機構宛に郵送で行います。

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