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Guide / 社保・税務

外国人の国外扶養親族控除の申告方法

この記事のポイント

  • 2023年改正:30〜70歳未満の国外親族は年38万円以上の送金証明が必要
  • 必要書類は「親族関係書類」と「送金関係書類」(外国語は日本語翻訳が必要)
  • 年末調整での申告手順・提出書類を採用担当者向けに解説
  • 税務署調査でよく指摘される書類の不備事例と対策

公開日:2026年6月7日 / カテゴリ:社保・税務 / 対象:外国人採用担当者

この記事のポイント

  • 2023年改正:30〜70歳未満の国外親族は年38万円以上の送金証明が必要
  • 必要書類は「親族関係書類」と「送金関係書類」(外国語は日本語翻訳が必要)
  • 年末調整での申告手順・提出書類を採用担当者向けに解説
  • 税務署調査でよく指摘される書類の不備事例と対策

国外扶養親族控除とは

外国人従業員が母国にいる配偶者・子ども・親などを経済的に扶養している場合、「扶養控除」または「配偶者控除」として所得税の控除を受けられる制度があります。国外居住親族についても一定の条件のもとで控除の申告が可能ですが、国内居住の扶養親族と比べて書類要件が厳格です。

控除額は扶養親族の年齢・続柄によって異なります。16歳以上の扶養親族は38万円(特定扶養親族は63万円、老人扶養親族は58万円)の控除が適用されます。配偶者控除は最高38万円(年収が一定額以下の場合)です。育成就労・特定技能で来日する外国人従業員の多くは母国に家族を残しているケースが多く、この控除制度は彼らの手取り額に直結する重要なテーマです。

2023年改正の内容と対象親族の範囲

2023年(令和5年)1月1日以降、国外居住親族の扶養控除に関する改正が実施されました。最大の変更点は、30歳以上70歳未満の国外居住親族については原則として扶養控除の対象外となったことです。ただし、以下のいずれかに該当する場合は引き続き控除対象となります。

  • 留学ビザで日本の外国語学校等に通っている者(留学生)
  • 障害者に該当する者
  • その年に外国人従業員から38万円以上の送金(仕送り)を受けている者

16歳未満の国外居住親族(扶養控除の対象ではないが住民税の扶養控除には影響あり)・70歳以上の老人扶養親族・配偶者については改正による大きな変更はありません。

必要書類:親族関係書類と送金関係書類

国外扶養親族の控除申告には、2種類の書類を勤務先または確定申告書に添付する必要があります。これらの書類が不完全な場合は控除が認められません。

書類の種類具体例注意点
親族関係書類戸籍謄本・婚姻証明書・出生証明書外国語書類は日本語翻訳が必要(本人翻訳可)
送金関係書類銀行送金の明細書・送金領収書年間送金額の合計が38万円以上であることを証明

親族関係書類は、扶養親族との続柄を証明するものです。ミャンマー・ベトナム・フィリピン等の書類は現地語で作成されることが多いため、日本語翻訳が必要です。翻訳は公認翻訳でなくても本人や家族による翻訳でも認められますが、内容の正確性が求められます。送金関係書類は、銀行の国際送金明細書が最も一般的です。現金手渡しは証明が困難なため、銀行送金を利用するよう従業員に案内することを推奨します。

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年末調整での申告方法

年末調整で国外扶養親族控除を申告する場合は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の「国外居住親族」欄に必要事項を記入し、親族関係書類と送金関係書類を添付して勤務先に提出します。勤務先の担当者は提出された書類を確認・保管し(5年間保存が必要)、年末調整計算に反映させます。

書類は毎年の年末調整ごとに提出が必要です。前年と状況が変わっていない場合でも、送金関係書類は当年分のものが必要です。親族関係書類は直近2年以内のものが求められる場合があります。

税務署の確認事項とよくある指摘事例

税務調査や是正指導において、国外扶養親族控除に関する指摘は比較的多く見られます。主な指摘事例は以下のとおりです。

注意|税務署でよく指摘される問題点

  • 送金額が年38万円未満(改正後の30〜70歳未満の親族の場合)
  • 親族関係書類の翻訳精度が低く内容の確認ができない
  • 書類が古すぎて現在の親族関係・状況を証明できない
  • 申告した親族が実際には海外で就労しており被扶養の実態がない
  • 配偶者の所得が扶養控除の要件を超えている(配偶者控除の誤適用)

企業の担当者としての対応

外国人従業員の国外扶養親族控除申告は、書類の複雑さから誤申告が生じやすい分野です。企業の担当者としては、外国人従業員への制度説明と書類準備のサポートを行うことが重要です。具体的には、控除の対象となる親族の範囲・必要書類の種類・提出期限を多言語で説明した案内資料を作成することが効果的です。

疑問点がある場合は所轄の税務署または社会保険労務士・税理士に相談することを推奨します。CSTMキャリアサポートでは、外国人従業員の税務・社会保険に関する各種サポートを多言語で提供しています。

よくあるご質問

Q. 2023年の改正で国外扶養親族控除はどのように変わりましたか?

2023年(令和5年)1月1日以降、30歳以上70歳未満の国外居住親族は原則として扶養控除の対象外となりました。ただし、①留学生②障害者③38万円以上の送金を受けている者のいずれかに該当する場合は引き続き控除対象となります。16歳未満・70歳以上・配偶者は従前通り対象です。

Q. 国外扶養親族の「親族関係書類」にはどのような書類が必要ですか?

親族関係書類とは、国外居住親族が被扶養者本人(外国人従業員)と一定の親族関係にあることを証明する書類です。具体的には戸籍謄本・出生証明書・婚姻証明書などが該当します。外国語で作成された書類は日本語翻訳(本人翻訳でも可)が必要です。

Q. 年末調整で国外扶養親族控除を申告するにはどうすればよいですか?

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に国外居住親族の情報を記入し、親族関係書類と送金関係書類(2023年改正後は38万円以上の送金証明)を添付して勤務先に提出します。勤務先は年末調整時にこれらの書類を確認・保管します。

Q. 送金は毎月行う必要がありますか?

送金は毎月行う必要はありません。年間で合計38万円以上の送金実績があれば要件を満たします(2023年改正後の30歳以上70歳未満の親族の場合)。銀行送金の記録・送金明細書が証明書類として有効です。現金の手渡し等は証明が困難なため、必ず銀行送金を利用するよう案内することを推奨します。

Q. 税務署の調査でよく指摘される問題点は何ですか?

よくある指摘事例には、①送金証明書の金額が要件を下回る②親族関係書類の翻訳が不正確③戸籍等の書類が古すぎて現在の親族関係を証明できない④申告した親族が実際には被扶養者でないケース(就労している等)などがあります。書類の内容を事前に丁寧に確認することが重要です。

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