この記事のポイント
- 住民税の特別徴収切替タイミング・退職時の一括徴収に注意
- 社宅費・食費控除は最低賃金違反にならないよう現物給与評価額を確認
- 給与明細の多言語対応で外国人従業員の不満・誤解を防ぐ
- 在留期間管理・外国人雇用届出連携などの機能を持つシステムを選択
住民税の特別徴収切替と外国人
外国人従業員の住民税(市区町村民税・都道府県民税)の特別徴収(給与天引き)への切替タイミングは、日本人と同様のルールが適用されます。住民税は前年の所得に対して課税されるため、入国直後の外国人従業員は翌年6月まで住民税の課税が発生しません。来日1年目は住民税の天引きがないため、2年目から急に控除が始まると外国人従業員が驚くことがあります。
退職・帰国する外国人従業員については、残りの住民税を最後の給与から一括徴収することが原則です(一括徴収に同意した場合)。または普通徴収(本人納付)に切り替えることもできますが、帰国後の納付が困難になるケースがあるため、帰国前に一括徴収する方が確実です。市区町村への「給与支払報告書・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」の提出も忘れずに行ってください。
最低賃金の確認と外国人への適用
最低賃金法は外国人従業員にも適用されます。愛知県の地域別最低賃金(2025年10月以降は1,077円)を下回る賃金設定は違法となります。外国人従業員の給与計算において特に注意が必要なのは、社宅費・食費などの現物給与を控除する場合です。現物給与の評価額を差し引いた後の手取り額が最低賃金を下回らないよう注意が必要です。
現物給与(社宅・食事)の評価額は地域ごとに定められており、愛知県の場合は毎年都道府県労働局が公表します。実費を超える過大な控除は最低賃金法違反となり、企業は是正指導を受けるとともに差額の支払いを求められる場合があります。外国人従業員の雇用形態・給与設定を定期的に見直すことが重要です。
POINT|外国人の給与計算で注意すべき控除項目
- 住民税:入来2年目の6月から特別徴収開始・退職時は一括徴収
- 社宅費・食費:現物給与評価額の範囲内で控除(最低賃金を下回らないよう確認)
- 社会保険料:加入義務のある保険を漏れなく控除
- 所得税:居住者は源泉徴収税額表・非居住者は20.42%(条約適用を除く)
給与明細の多言語対応
法律上、給与明細は日本語で交付すれば足りますが、外国人従業員が内容を理解できるよう多言語での補足説明を行うことが定着率向上に有効です。特に「なぜこれだけの金額が控除されるのか」という点の説明が不十分だと、外国人従業員の不満や誤解が生じやすいです。
多言語給与明細の作成方法としては、各控除項目(健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税・住民税・社宅費等)の説明を外国人従業員の母国語で記載した補足資料を作成して配布する方法が一般的です。ミャンマー語・ベトナム語・中国語・英語など、雇用する外国人の母国語に対応した資料を準備することが理想的です。
外国人対応の給与計算システムの選定ポイント
外国人従業員の給与計算を効率化するためには、外国人雇用に対応した給与計算システムの導入が有効です。一般的な給与計算ソフトでも対応できる場合がありますが、外国人特有の処理(在留資格管理・多言語明細・非居住者課税)に対応したシステムを選ぶと業務負荷が軽減されます。
| 選定ポイント | 具体的な確認事項 |
|---|---|
| 多言語対応 | 給与明細の多言語(英語・中国語・ベトナム語・ミャンマー語等)出力機能 |
| 在留期間管理 | 在留期間満了日のアラート機能・在留カード情報の登録機能 |
| 外国人雇用届出連携 | ハローワークへの外国人雇用状況届出データとの連携 |
| 非居住者課税対応 | 非居住者への20.42%源泉徴収の自動計算・租税条約適用の設定 |
| 脱退一時金補助 | 被保険者期間・平均標準報酬月額の自動集計 |
コンプライアンス管理と定期確認
外国人従業員の給与に関するコンプライアンス管理として、最低賃金の遵守確認・社会保険の適正加入・住民税の適正徴収を定期的にチェックする体制を構築することが重要です。特に育成就労・特定技能の外国人については、監理支援機関・登録支援機関による定期的な確認が行われます。
CSTMキャリアサポートでは、登録支援機関として外国人従業員の給与関連の相談・サポートにも対応しています。給与計算の適正性について疑問がある場合や、多言語給与明細の作成方法についての相談も受け付けています。
よくあるご質問
Q. 外国人従業員の給与計算で日本人と異なる点はありますか?
基本的な給与計算の仕組みは同じですが、住民税の切替タイミング(特別徴収への切替)、社宅費・食費の控除方法(最低賃金との関係で注意が必要)、在留資格に応じた就労制限の確認(週の労働時間)、帰国時の住民税一括徴収などの点で外国人特有の注意が必要です。
Q. 外国人従業員の住民税はいつから特別徴収に切り替わりますか?
外国人従業員が1月1日に日本に住所を有する場合、その年の6月から翌年5月分の住民税が特別徴収(給与天引き)の対象となります。入社が年途中の場合は、来年の6月から特別徴収が始まります。退職・帰国時には残りの住民税を一括徴収することが原則です。
Q. 社宅費・食費を給与から控除する場合の注意点は何ですか?
社宅費・食費等を給与から控除する場合、最低賃金の計算に影響します。最低賃金法では、現物給与(社宅・食事等)の価額は地域別の現物給与の評価額に従って計算します。実費を上回る控除は違法となる場合があるため、愛知県の現物給与評価額の最新値を確認してください。
Q. 外国人従業員への給与明細は多言語で作成する必要がありますか?
法律上は日本語での給与明細の交付で足りますが、外国人従業員が内容を理解できるよう多言語の補足資料を作成することを強く推奨します。特に控除項目(社会保険料・所得税・住民税・社宅費等)の説明が不十分な場合、不満やトラブルにつながることがあります。
Q. 外国人対応の給与計算システムはどのように選べばよいですか?
外国人従業員が多い場合は、①多言語給与明細の出力機能、②在留期間管理・アラート機能、③外国人雇用状況届出との連携、④脱退一時金の計算補助機能、⑤外国人特有の税務処理への対応(非居住者の源泉徴収等)の機能を持つシステムを選ぶと業務効率が上がります。
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名古屋・愛知を拠点に全国対応 / 監理支援機関+登録支援機関の両保有 / ミャンマー名誉領事館認定
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