外国人材の雇用には、日本人の雇用にはない法令上の注意点があります。とりわけ入管法(出入国管理及び難民認定法)のルールは、知らなかったでは済まされず、企業側が処罰されることもあります。本記事では、企業が守るべき法令を4つの柱で整理し、違反時の主な罰則もあわせて解説します。
守るべき法令の4本柱
| 領域 | ポイント | 詳細 |
|---|---|---|
| 就労資格の確認 | 在留カードで在留資格・在留期間・就労可否を確認。短期滞在や資格外活動許可のない留学生の就労はNG | 詳細 |
| 不法就労の防止 | 在留資格で認められた範囲外の就労をさせない。違反は不法就労助長罪のリスク | 詳細 |
| 活動範囲の遵守 | 技人国の単純労働従事など、資格外の業務に就かせない | 詳細 |
| 各種届出 | 外国人雇用状況届出(雇入れ・離職)、特定技能・育成就労の届出を期限内に | 詳細 |
| 最低賃金・労基法 | 日本人と同等以上の待遇。最低賃金以上の賃金、36協定、労働時間管理 | 詳細 |
| 社会保険 | 要件を満たす場合は国籍を問わず加入(健保・厚年・雇用・労災) | 詳細 |
| 安全衛生 | 健康診断、母国語での安全衛生教育、労災対応 | 詳細 |
① 採用前:就労資格の確認
すべての出発点は「その人が、その仕事に就けるか」の確認です。在留カードの原本で在留資格・在留期間・就労制限の有無を確認します。留学・家族滞在などは原則就労不可で、資格外活動許可がある場合のみ週28時間以内などの範囲で就労できます。短期滞在(観光等)での就労はできません。
② 入管法:不法就労の防止と届出義務
在留資格で認められた範囲を超える就労をさせると、不法就労助長罪に問われる可能性があります。また、外国人を雇い入れた/離職した際はハローワークへの「外国人雇用状況届出」が義務づけられており、特定技能・育成就労ではさらに各種届出が必要です。
③ 労働法:最低賃金・労働時間・社会保険
外国人にも労働基準法・最低賃金法が等しく適用されます。最低賃金以上の賃金、適正な労働時間管理(36協定)、割増賃金の支払いが必要です。要件を満たす場合は国籍を問わず社会保険に加入させます。「日本人と同等以上の待遇」は特定技能などの受入れ基準でも明確に求められています。
④ 安全衛生:健診・安全教育・労災
定期健康診断や雇入れ時健診、安全衛生教育は外国人にも必要です。言葉の壁が労災につながらないよう、母国語・やさしい日本語での安全教育が重要です。
主な違反と罰則
| 違反 | 対象 | 主な罰則 |
|---|---|---|
| 不法就労助長罪(入管法) | 不法就労をさせた事業主等 | 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科あり) |
| 外国人雇用状況届出の不履行 | 届出を怠った/虚偽届出の事業主 | 30万円以下の罰金 |
| 最低賃金法違反 | 最低賃金未満で雇用した使用者 | 罰金(最低賃金法に基づく) |
よくある質問
Q. 「知らなかった」場合でも不法就労助長罪に問われますか?
A. 在留カードの確認を怠るなど、過失があった場合は処罰を免れません。「在留資格を確認していなかった」「就労不可と知らなかった」では原則として言い逃れできないため、採用時に必ず在留カードの原本で就労可否・在留期限を確認することが重要です。
Q. 外国人だけ給与を低く設定してもよいですか?
A. いいえ。日本人と同等以上の待遇が求められ、最低賃金を下回る賃金は違法です。特定技能では「日本人が従事する場合と同等以上の報酬」が受入れ基準として明確に定められています。賃金の不当な格差はトラブル・離職・指導の原因になります。
Q. 在留カードの確認はどこまですればよいですか?
A. 氏名・在留資格・在留期間(満了日)・就労制限の有無を原本で確認します。資格外活動許可が必要な区分(留学・家族滞在等)では、カード裏面や資格外活動許可書もあわせて確認します。偽変造カードの確認には出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」も活用できます。
Q. コンプライアンス体制を自社だけで整えるのは難しいです。
A. 登録支援機関・監理団体や、提携する行政書士・社会保険労務士と連携することで、確認・届出・労務管理を仕組み化できます。CSTMキャリアサポートは登録支援機関・監理団体として、受入れから法令対応までワンストップで支援します。